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「青表紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

青表紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
永日小品」より 著者:夏目漱石
で、その角のまた角に先生にとっては大切な宝物がある。――長さ一尺五寸幅一尺ほどな青表紙の手帳を約十冊ばかり併《なら》べて、先生はまがな隙《すき》がな、紙片《かみ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
その女の一心にまだ幼いお三輪を導こうとしている。 「青山さん、あなたの前ですが、青表紙の二枚や三枚読んで見たところで、何の役にも立ちますまいねえ。」 「どうもお....
青年」より 著者:森鴎外
脚本の上に注がれた。Charpentier et Fasquelle 版の仮綴の青表紙である。忙わしい手は、紙切小刀で切った、ざら附いた、出入りのあるペエジを翻....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
辰一郎様、人間は学問ばかりしたからといってそれでいいというわけではありませんね、青表紙をたくさん読んで、活字引《いきじびき》になってみたところで一向つまりません....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、私の存じて居る限りは逐一申上げて了いましょう。話が少し堅うございまして、何やら青表紙臭くなるかも存じませぬが、それは何卒大目に見逃がして戴きます。又私の申上げ....
お住の霊」より 著者:岡本綺堂
思議もなく、妹も旧の如くその邸へ戻って夫婦睦じく暮したという。 私も武士、且は青表紙の一冊も読んだ者、世に幽霊や妖怪変化があろうとは、どうしても信じられぬが、....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
かな。……や、これはこれは火事でござるか」この時まで勉強をしていたのでもあろう、青表紙の本を持っていた。 「あのね」と鈴江はすぐにいった。 「兄上が行っていられ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、青葉の影がゆれる。 広縁《ひろえん》のきわへ、むんずりと坐りこみ、膝のうえに青表紙《あおびょうし》の本をのせ、矢たてと懐紙《かいし》箱をひきつけ、にが虫を噛....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
をしていねえで、こっちへ入って坐れ」 「お邪魔では……」 「なアに、暇ッつぶしの青表紙、どうせ、身につくはずがない。……ちょうど、相手ほしやのところだった」 「....