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青青
「青青〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
青青の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
つじ》の花はそれぞれ蜂の巣のように咲きこごっていた。紅梅は花が散ってしまっていて
青青した葉をひろげ、百日紅《さるすべり》は枝々の股《また》からささくれのようなひ....
「旅愁」より 著者:横光利一
足のぎしぎし鳴る椅子に反り返り矢代は、周囲の高原を見廻してはまた牛乳を飲んだ。
青青とした牧草が一面に花筒を揃え氷河の下まで這い連って消えている。後方の樹木の多....
「たにしの出世」より 著者:楠山正雄
って、石の鳥居の上に、おむこさんを休ませました。 「ああ、ひろい田んぼが見えて、
青青した空がながめられて、ひさしぶりでいい心持ちだ。わたしはここでしばらく日向ぼ....
「浦島太郎」より 著者:楠山正雄
、ぼうっとかすんだなかに、さくらの花が、うつくしい絵のように咲き乱れていました。
青青としたやなぎの枝が風になびいて、そのなかで小鳥がないたり、ちょうちょうが舞っ....
「夜の靴」より 著者:横光利一
。広い仏壇の間では、宵に清江の摘み終えた紫蘇の葉が、縮れた窪みにまだ水気を溜めて
青青と匂っている。 私は眠れぬので幾度も起きて雨雲を見た。ますます暗くなるばか....
「お父さん」より 著者:林芙美子
す。おとうさんと二人で灰をつくっては土にまぜてやります。僕の植えたからし菜がもう
青青してきました。 畑をするのはとてもたのしみです。 せまい庭ですけれど、僕....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
かがやいて、それは「ヨハンネス、そんなにかなしんでばかりいることはないよ。まあ、
青青とうつくしい空をごらん。おまえのとうさんも、あの高い所にいて、どうかこのさき....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
なびかせながら、海の上を走らせるところを、ひいさまは見ました。ひいさまは、それを
青青としげったあしの葉のあいだからすきみしました。すると風が来て、ひいさまの銀い....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
えるかと思うばかりである。) 英国郊行(英国郊行) 車行竜動外、山遠望無染、
青青総牧田。 (車で竜動郊外の地をゆけば、山を遠くみて果てもない。草の色にも春が....
「幼年時代」より 著者:室生犀星
が懸けてあって檜の重い四枚の戸があった。父はもう六十を越えていたが、母は眉の痕の
青青した四十代の色の白い人であった。私は茶の間へ飛び込むと、 「なにか下さいな。....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
湯元の耕地を離れて、金精峠の登りにかかるあたりの森林は、いつ見ても美しい。一面に
青青と繁った短い笹を下草にして樺や榛の類などの交った栂の深い林である。それは勿論....