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青黒い
「青黒い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
青黒いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
供じゃあるまいし。木馬になんぞ乗るやつがあるもんか?」
野口という大学教授は、
青黒い松花《スンホア》を頬張ったなり、蔑《さげす》むような笑い方をした。が、藤井....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
さん。お母さん。」
母は彼に抱かれたまま、二三度体を震《ふる》わせた。それから
青黒い液体を吐いた。
「お母さん。」
誰もまだそこへ来ない何秒かの間《あいだ》....
「或る女」より 著者:有島武郎
こんとわいて出た。もう鏡は見まいと思うほど顔はげっそりと肉がこけて、目のまわりの
青黒い暈《かさ》は、さらぬだに大きい目をことさらにぎらぎらと大きく見せた。鏡を見....
「恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
《ぎょぐん》。バナナ。パパイヤ。サワサップ。マンゴスチン。海ガメ。とかげ。わに。
青黒い蛇(こんなものは、あんまり感心しないね)それからヤシの木。マングロープの木....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
お麁末なことでして。」 と紺の鯉口に、おなじ幅広の前掛けした、痩せた、色のやや
青黒い、陰気だが律儀らしい、まだ三十六七ぐらいな、五分刈りの男が丁寧に襖際に畏ま....
「金属人間」より 著者:海野十三
いて、長戸検事を先に、残り係官一行が五、六名つきしたがっている。 検事の顔色は
青黒い。細く見ひらいたまぶたのうしろに、眼球《がんきゅう》がたえずぐるぐる動いて....
「恐竜島」より 著者:海野十三
熱帯の強い日光がさしこんで、洞窟内を照らしているのだった。 洞窟の中は、一面に
青黒い海水がひたしていた。そしてその海水の中に、巨大なる恐竜が、すくなくとも四頭....
「火星兵団」より 著者:海野十三
戦車は通り過ぎた。
そのあとには、瓦のように厚い、そうして瓦のかけらのような
青黒い破片が、ばらばらとあたりに散らばっていた。そうして、そこにもう一つの不思議....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
川も、はげしい興奮に、胸が高なっている。 見よ! 彼の目のまえに、あぶくだつ
青黒い海水をとおして、とほうもなく大きな怪物が、歯をむきだして、こちらをにらんで....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
パッと消えるようであった、日の光に濃く白かった写真館の二階の硝子窓を開けて、
青黒い顔の長い男が、中折帽を被ったまま、戸外へ口をあけて、ぺろりと唇を舐めたのと....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
りて来た、前途は石垣から折曲る、しばらくここに窪んだ処、ちょうどその寺の苔蒸した
青黒い段の下、小溝があって、しぼまぬ月草、紺青の空が漏れ透くかと、露もはらはらと....
「露肆」より 著者:泉鏡花
。」 四 「お痛え、痛え、」 尾を撮んで、にょろりと引立てると、
青黒い背筋が畝って、びくりと鎌首を擡げる発奮に、手術服という白いのを被ったのが、....
「三重宙返りの記」より 著者:海野十三
平線を探るんだが、地平線は無く、顔のまん前にあったのは、何ともいえない気味の悪い
青黒い壁のような大地であった。いつの間にか機首を下にした機は、次の瞬間、どどどっ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
廂髪で、その頃はやった消炭色紋付の羽織の衣紋を抜いたのが、目のふちに、ちかちかと
青黒い筋の畳まるまで、むら兀のした濃い白粉、あぶらぎった面で、ヌイと覗込んで、 ....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
音でわかった。線路近くのエゾ松林に、防雪林などと書いた棒杭が見出された。その林の
青黒い枝々はすでにかなりの雪を積らせていて、飛白の布地のように目を掠めてゆく。い....