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静
「静〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
静の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
少年の姿は膝の上まで。
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西洋人の女の人形。人形は
静かに扇をひろげ、すっかり顔を隠してしまう。それからこの人形に中《あた》るコルク....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
うのは、勘定に明いと云う事かね。」
この語《ことば》につれて、一同の口からは、
静な笑い声が上った。が、呂馬通は、存外ひるまない。彼は髯から手を放すと、やや反《....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
きになった。
「しかしあの女は面白いやつだ。」
「惚《ほ》れたかね?」
木村は
静かにひやかした。
「それはあるいは惚れたかも知れない。あるいはまたちっとも惚れ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
しゅう》思いの若党の眼に涙を催させるのが常であった。しかし彼等は二人とも、病さえ
静に養うに堪えない求馬の寂しさには気がつかなかった。
やがて寛文十年の春が来た....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
十歳以上の老人ばかり揃っていたせいか、まだ春の浅い座敷の中は、肌寒いばかりにもの
静《しずか》である。時たま、しわぶきの声をさせるものがあっても、それは、かすかに....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
、濁《にご》った朱《しゅ》の色を漂《ただよ》わせている。半三郎の脚はその間も勿論
静かにしている訣《わけ》ではない。細引にぐるぐる括《くく》られたまま、目に見えぬ....
「運」より 著者:芥川竜之介
だ》をのどかな春風に吹かせながら、百年も昔からそうしていたように、ひっそりかんと
静まっている。どうやらこの家の棟《むね》ばかりは、燕《つばめ》さえも巣を食わない....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
》そうに、時々|外套《がいとう》の袖をはねながら、快活に我々と話し続けた。如丹は
静かに笑い笑い、話の相槌《あいづち》を打っていた。その内に我々はいつのまにか、河....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
になってしまいました。と同時に不思議な香の匂が、町の敷石にも滲みる程、どこからか
静に漂って来ました。 四 その時あの印度人の婆さんは、ランプを消した....
「狂女」より 著者:秋田滋
。やがて、この烈しい発作がおさまると、こんどは、倦怠とでも云うのだろう、どうやら
静かな症状がつづいて、さしもの彼女もあまり動かなくなった。食事もろくろく摂ろうと....
「墓」より 著者:秋田滋
死刑だ!」 「死刑にしろ!」 傍聴人たちは口々にそう叫びだした。裁判長はそれを
静めるために並々ならぬ骨を折った。かくて法廷が再び
静粛になると、裁判長は厳かな口....
「初雪」より 著者:秋田滋
ろに鉄の格子戸がひろい散歩路のほうに開くように付けてある。その路のはしには、もう
静かな波がうち寄せて来て、ざ、ざあッとそれを洗っていた。――うらうらと晴れ亙った....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
かかりて、西向きの室から外を眺めつつ日を暮らし、終に眠るがごとくにこの世を去り、
静かに墓地に葬られた頃になると、落涙を禁じ得ない。 前編に大体の伝記を述べて、....
「寡婦」より 著者:秋田滋
だが、別に気にとめて考えてみたこともなかったのである。 彼女はそこでその指環を
静かに指のまわりに※しながら、伯母にこう訊いた。 「ねえ伯母さま。何でございます....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
さな渓谷、というよりはむしろ窪地というべきところがあるが、そこは世の中でいちばん
静かな場所である。小川が滑るように流れそのせせらぎは人を眠りにいざない、ときたま....