静か[語句情報] »
静か
「静か〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
静かの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
少年の姿は膝の上まで。
25
西洋人の女の人形。人形は
静かに扇をひろげ、すっかり顔を隠してしまう。それからこの人形に中《あた》るコルク....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
きになった。
「しかしあの女は面白いやつだ。」
「惚《ほ》れたかね?」
木村は
静かにひやかした。
「それはあるいは惚れたかも知れない。あるいはまたちっとも惚れ....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
が、彼等は三人とも、堆《うずたか》い薪《たきぎ》を踏《ふ》まえたまま、同じように
静かな顔をしている。
刑場のまわりにはずっと前から、大勢《おおぜい》の見物が取....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
美しかったことを思い出した。
爾来《じらい》七八年を経過した今日、その時の海の
静かさだけは妙に鮮《あざや》かに覚えている。保吉はこう云う海を前に、いつまでもた....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
げて、つつましく一服の煙を味った。煙は、早春の午後をわずかにくゆらせながら、明い
静かさの中に、うす青く消えてしまう。
「こう云うのどかな日を送る事があろうとは、....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
まって、舵《かじ》を執《と》る人の有無《うむ》さえもわからない。自分はいつもこの
静かな船の帆と、青く平らに流れる潮のにおいとに対して、なんということもなく、ホフ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ても、容易に睡気《ねむけ》を催さなかった。
彼の隣には父の賢造《けんぞう》が、
静かな寝息《ねいき》を洩らしていた。父と一つ部屋に眠るのは、少くともこの三四年以....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
論ひっそりしている。神父はいつまでも身動きをしない。
そこへ日本人の女が一人、
静かに堂内へはいって来た。紋《もん》を染めた古帷子《ふるかたびら》に何か黒い帯を....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
、濁《にご》った朱《しゅ》の色を漂《ただよ》わせている。半三郎の脚はその間も勿論
静かにしている訣《わけ》ではない。細引にぐるぐる括《くく》られたまま、目に見えぬ....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
》そうに、時々|外套《がいとう》の袖をはねながら、快活に我々と話し続けた。如丹は
静かに笑い笑い、話の相槌《あいづち》を打っていた。その内に我々はいつのまにか、河....
「狂女」より 著者:秋田滋
。やがて、この烈しい発作がおさまると、こんどは、倦怠とでも云うのだろう、どうやら
静かな症状がつづいて、さしもの彼女もあまり動かなくなった。食事もろくろく摂ろうと....
「初雪」より 著者:秋田滋
ろに鉄の格子戸がひろい散歩路のほうに開くように付けてある。その路のはしには、もう
静かな波がうち寄せて来て、ざ、ざあッとそれを洗っていた。――うらうらと晴れ亙った....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
かかりて、西向きの室から外を眺めつつ日を暮らし、終に眠るがごとくにこの世を去り、
静かに墓地に葬られた頃になると、落涙を禁じ得ない。 前編に大体の伝記を述べて、....
「寡婦」より 著者:秋田滋
だが、別に気にとめて考えてみたこともなかったのである。 彼女はそこでその指環を
静かに指のまわりに※しながら、伯母にこう訊いた。 「ねえ伯母さま。何でございます....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
さな渓谷、というよりはむしろ窪地というべきところがあるが、そこは世の中でいちばん
静かな場所である。小川が滑るように流れそのせせらぎは人を眠りにいざない、ときたま....