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静坐
「静坐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
静坐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「癩」より 著者:島木健作
一度、あるいは十日に一度、きまって夜に来た。思い余った彼は、体操をやってみたり、
静坐法をやってみたりした。しかしその発作から免れることはできなかった。体操や、静....
「突貫紀行」より 著者:幸田露伴
帰り、引かえしてまた函館に至り仮寓《かぐう》を定めぬ。 六日、無事。 七日、
静坐《せいざ》読書。 八日、おなじく。 九日、市中を散歩して此地には居るまじ....
「新生」より 著者:島崎藤村
――殊に婆やの高い声なぞは手に取るように聞える。そこへ昇って行って自分の机の前に
静坐して見ると、岸本の心は絶えず階下へ行き、子供の方へ行った。彼はまだ年の若い節....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
て、小屏風のわきに茶道具なぞ取り出す音をさせた。 「半蔵、」と吉左衛門は床の上に
静坐しながら話しつづけた。「この先、江戸もどうなろう。」 「さあ、それがです。京....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
き》の声《こえ》の世の中でも放火殺人専門の野蛮な者では無かった。机に※《よ》りて
静坐して書籍に親んだ人であった。足利以来の乱世でも三好実休や太田道灌や細川幽斎は....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
がいたし方のない事だ。従って私はいまだかつて水に浮いて見たためしがないのである。
静坐法というものが一時流行を極めた時、何んでも人間は、腹の中へ空気を押し込まなけ....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
哭したい悲しさだ。 しかし、この日、鳴りやまぬ拍手大カッサイを耳朶にのこして、
静坐冥想した先生は、深く心に期するところがあった。これぞ神の告げたもうシルシであ....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
やっぱり人間だ。彼等はわたしを食いたいと思っている。 四 朝、
静坐していると、陳老五が飯を運んで来た。野菜が一皿、蒸魚が一皿。この魚の眼玉は白....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
た。 「たとえ俗界にいかようなツナガリがあっても、霊界は別儀であるぞ。不敬者め。
静坐して、正宗の戻るまで、霊界に思いを致しておるがよい」 こう云って、白衣の若....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
ろがあってはならないのだということを、その時しみじみ感じたことであった。 私が
静坐の岡田虎次郎先生を知ったのは明治四十五年の春であった。その動機は妻が「黙移」....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
うのは実際滑稽だそうだ。」 「みたまふりって何だい。」 「みそぎのあとか先かに、
静坐をして眼をつぶり、何か唱えながら、両手を組みあわして、ふるんだってさ。そのう....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ては?」 荒田老はおしつけるように言った。 「坐禅とまではむろん行きませんが、
静坐程度のことなら、ここでもやっているんです。起床後とか、就寝前とかに、ほんの二....
「地上」より 著者:島田清次郎
青年であった。しかも、その男性的な容貌と態度の立派さ! 威圧するような泰然とした
静坐の仕様、静かではあるが熱と力に充ちた話し振り、父の容太郎に広い茶の室で容一郎....
「一日一筆」より 著者:岡本綺堂
る。午前十時頃、店は掻き廻されるような騒ぎで、そこらに群がる男女の店員は一分間も
静坐してはいられない。電話は間断なしにチリンチリンいうと、女は眼を嶮しくして耳を....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
る。 「ねえ君、大分白いね。あんなに雪の残っていることはそうあるまい」 岡田式
静坐法の姿勢を崩さないで、哲学者然と構え込んでいた南日君も、堪らなくなったと見え....