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静夜
「静夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
静夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
うな純物体的の花ではない、色や形や香をそなえた美にして愛すべき花である。ハイネが
静夜の星を仰いで蒼空における金の鋲《びょう》といったが、天文学者はこれを詩人の囈....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
て、不思議の光に潤うたる瞳をもって自然と人生とを眺めしめるのである。 ハイネは
静夜の星を仰いで蒼空に於ける金の鋲と言つたが、天文学者はこれを詩人の囈言として一....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
杜はずっと早く釈放せられて、思い出のバラックに、只一人起き伏しする身とはなった。
静夜、床のなかにひとり目覚めると、彼は自分の心臓がよく激しい動悸をうっているのを....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
雨《さいう》の宵。
浅酌《せんしゃく》低唱によく、風流詩歌を談ずるにふさわしい
静夜だが……。
いま、この化物屋敷には、暗澹《あんたん》として雲のたれる空の下....
「お奈良さま」より 著者:坂口安吾
こむような苦心をした。さすがに憮然として人知れずわが身の定めに暗涙をのんだような
静夜もあって、せめてその文字だけはお奈良さまをあてたいと身を切られるような切なさ....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
北大西洋には附き物の大きな畝りどころか、小皺一つ無い海面だ。尤も、斯うした早春の
静夜には有り勝ちの、水に近く、一めんに浅霧《ヘイズ》が立ち罩めていたのかも知れな....
「三国志」より 著者:吉川英治
墜チントシテ、我|今生ノ命スデニ終ラントスルヲ天ノ告ゲ給ウアラントハ。――謹ンデ
静夜ヲ仰ギ、昭カナル天心ニ告ス。北極|元辰モマタ天慈ヲ垂レ地上ノ嘆ヲ聞キ給エ。亮....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
慢や田楽舞の馳走でもないらしい。いつまでもそこはあるじの道誉とただ二人だけの秋の
静夜だった。 「たまには、こんな夜もおよろしかろうと存じましてな」 道誉は言っ....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
奉行所にあるときは、日々、白洲へ曳かれてくる無数の人間を裁く法官の彼であったが、
静夜、独坐のうちにある彼は、自分で自分を裁かずにいられなかった。 ――ふすま際....