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静平
「静平〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
静平の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
まで続けようではありませんか。その方がかえって善いコンスタントな、魂の騒がない、
静平な交際ができます。あのいつもいう聖フランシスと、聖クララとのように清らかな交....
「大自然を讃う」より 著者:豊島与志雄
其処にはもはや生も死もなく、生死を超えた悠久な落付きのみがある。そしてこの偉大な
静平の中に於ては、ぽつりと冴えた心の眼が、自分の露わな生の上にじかに据えられる。....
「鯉」より 著者:豊島与志雄
と、気持が苛立ってきて、しまいには神経衰弱にまでなりかかった。然し池の面はいつも
静平で、水蓮の花が咲きかけてるし、緑の木影を映している。不思議なステッキも大して....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
彼にはアルノー夫人とフィロメールとの愛情があった。しかしそのとき彼は、それら
静平な女友だちでは満足できなかった。 それでもこの二人の女は、クリストフの悩み....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
なった。その心の純潔のために彼らは、他人にたいして酷薄になり、自己を信じきった冷
静平然たる驚くばかりの不人情になった。どうして彼らは躊躇《ちゅうちょ》することが....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を話すときと同じように、一種の超脱さと快活な晴れやかな気分とを失わなかった。その
静平さにジョルジュはまいってしまった。彼が求めに来たのはそういう
静平さであった。....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
く、世人の皆知っているところである。ブリエンヌ士官学校の小さな帽子をかぶったその
静平な横顔、その緑色の軍服、星章を隠している白い折り返しのえり、肩章を隠している....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
かされることは少なかった。りっぱな紳士であったが、騎士型の人ではなかった。単純で
静平でしっかりしていた。家族の者らや一門の者らから敬愛されていた。人の心をひくほ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
言う以上は。」
マリユスは相手をながめた。相手は沈痛で落ち着いていた。そういう
静平から偽りが出ようはずはなかった。氷のごとき冷ややかさは誠実なものである。その....
「物理学の応用について」より 著者:寺田寅彦
塩分の多少、混濁物や浮遊生物の多少などによっての差を考えねばならない。また海面の
静平であるか波立っているかによって如何なる相違があるかという事も考えねばなるまい....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
ミアンのゴシック像に似ているが、しかし線の単純な組織において、このほうがはるかに
静平で統一せられている。衣文の布置は呉の銅像式(六朝式)に基づいているように見え....