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静座
「静座〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
静座の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
い時には、皆一生懸命に修業したものでしたよ。朝は日の出ぬ前に起きて、朝飯までには
静座をして心を練りました。夜はおそくまで経を学んで、有明の月の出るのを知らなかっ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ことだ。台徳公の面影のあると言わるる年若な将軍は、小御所の方でも粛然と威儀正しく
静座せられたというが、すべてこれらのことは当時の容易ならぬ形勢を語っていた。 ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
寂しい中にも何とも云えぬ味がある。秋に別れて冬になろうと云う此|隙に、自然が一寸
静座の妙境に入る其幽玄の趣は言葉に尽くせぬ。
隣字の仙左衛門が、根こぎの山豆柿....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
弛みで、一時に疲労が迸り出て、そのまま斃れてしまったろう。 今日|流行っている
静座法なども、その濫觴は「阿珂術」なので、伊藤一刀斎景久は、そういう意味からも偉....
「岡本一平論」より 著者:岡本かの子
にも氏に相応しく見受けられます。 氏は毎朝、六時に起きて、家族と共に朝飯前に、
静座して聖書と仏典の研究を交る交るいたして居ります。 氏は、キリスト教も仏教も....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
境涯はその間に幾度も幾度も変りましたが、しかし私は今も尚おその時戴いた御鏡の前で
静座黙祷をつづけて居るのでございます。 参考の為めに少し幽界の修行の模様をきき....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
て求めても、必ずしも現象が起らないのである。私は出所不明の突然の衝動に駆られて、
静座して筆記の準備をやる。それが連続的に現れる場合には、私は通例早起して、毎日の....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
を修する発端で、その日も終日不可解の茶の渋味を呪法に則るごとき泡立てに和らげて、
静座しつつ、楽の茶碗を取りあげて、ひとりで苦しんで喫してあるべき運命の前提のよう....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
の山裾が西へ長く伸びて、そこに上越国境から奔下する利根の激流を対岸に渡った空間に
静座しているのである。この二つの山は、わが村から真北に当たって、赤城の裾と榛名の....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
した取止めのない雑談をしていた。その間に横井は、彼が十年来続けてるという彼独特の
静座法の実験をして見せたりした。横井は椅子に腰かけたまゝでその姿勢を執って、眼を....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
聞きながらせまい茶室に座しているのも、禅を行なう人がうす暗い僧堂で無念無想の境に
静座しているのも、画家が画室で端座しているのも、その到達する境地はひとつである。....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
模様が昨日の出来事の如くはっきりと眼に残っている。漱石氏は洋服の膝を正しく折って
静座して、松山鮓の皿を取上げて一粒もこぼさぬように行儀正しくそれを食べるのであっ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
に精読し、禅宗の雑誌まで購読し、熱心鋭意して禅の工風に耽っていた。が、衛養療法や
静座法を研究する意で千家の茶事を学ぶに等しい二葉亭の態度では禅に満足出来るはずが....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ず、一方マイルに二人平均数なれば、目前の事業に追われて、悠然として明窓浄几の下に
静座沈思する余暇これなし。したがって、人民の快活にしてよく活動しおるには、実に感....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
、瞑想三昧に耽っている一人の青年を見た。 彼は夜露にあたることも気がつかないで
静座していた。時はもう午後九時過ぎで、野辺のあちらこちらには火が入っていた。それ....