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静的
「静的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
静的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「征服の事実」より 著者:大杉栄
る。組織的瞞着の有力なる一分子である。 われわれをしていたずらに恍惚たらしめる
静的美は、もはやわれわれとは没交渉である。われわれは、エクスタシイと同時にアンツ....
「生の拡充」より 著者:大杉栄
となし、最後に次のごとき結論を下した。 「われわれをしていたずらに恍惚たらしめる
静的美は、もはやわれわれとは没交渉である。われわれはエクスタシイと同時にアンツウ....
「自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
期的であるが、しかしここで statical と言うのは、できあがった最後の形が
静的だという意味である。 昔、自分らの学生時代に、確率論の講義を聞かされたとき....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
ち合わせていない。 この映画でいちばん自分の注意を引いたのはいろいろのシーンの
静的画面の美しさである。実に美しい活人画がそれからそれと現われて来る。それがちょ....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
ある絵巻物には書き込まれてあるのも興味あることである。 絵巻物の一画面は言わば
静的である。その
静的な一画面から次の画面への推移のリズムによって始めてそこに動的....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
である。 五 イワン ドブジェンコのこの映画にも前の「大地」と同様な
静的な画面をつないで行く手法が目につく。堰堤工事の起重機や汽車の運動は、見ている....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
った。 私は心臓の鼓動が止まるかと思った。私は喜びでもない悲しみでもない一種の
静的な緊張に胸がいっぱいになって、それから先きがどうしても読めなかった。私は書物....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
客の来たことをまるで奇蹟のように家じゅう驚いていた。 このプンカハリュウでの鎮
静的な五日間は私たちの生涯忘れ得ないところであろう。湖水に陽がかんかん照って、物....
「雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
に思われた。外の各種の舞踊に表われるような動的エネルギーの表出はなくて、すべてが
静的な線と形の律動であるように思われた。 二番目の「地久」というのは、やはり四....
「火の扉」より 著者:岸田国士
と育つたし体、殊に眼じりの切れの細く長く切れ上つたあたりまで、全体に、表情の深い
静的な美しさを、あくまでも特色としているようである。 「お帰んなさい」 毎日繰....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
腕がからみ合い、二つの顔が近寄って行く。
と、この怪しくも肉欲的の、それでいて
静的のたたずまいを破って、叱咤するようないかめしい声が、一所から聞こえて来た。
....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
らめである、組織的瞞着の有力なる一分子である。 「吾々をして徒らに恍惚たらしめる
静的美は、もはや吾々とは没交渉である。吾々はエクスタジイと同時にアントウジアムス....
「春」より 著者:岡本かの子
して居るものは一人も無い。檻のなかの患者の狂暴性とは反対に、あまりおとなし過ぎる
静的な患者達なのであろう。 一人の老人が、自分の古羽織を、脱いだり、着たり畳ん....
「人形芝居に関するノオト」より 著者:竹内勝太郎
ある。 * 人形芝居の美は人形の持つ美がその主体をなしている。それは
静的の美である。人形は動いている時にも尚そこに常に或る静寂の要素を持つ。 人形....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
きものである。この根本原理は静止的のものである、これがすなわち実在である。実在は
静的であり、現象は動的である。その動的の方面を現象とし、
静的の方面を実在とするの....