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静脈
「静脈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
静脈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
子に――穴蔵大工の女の子に固い乳房を吸って貰った。乳房は盛り上った半球の上へ青い
静脈をかがっていた。はにかみ易い信輔はたとい吸うことは出来たにもせよ、到底叔母の....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
た。お芳は四五年以前には円まると肥《ふと》った手をしていた。が、年は彼女の手さえ
静脈の見えるほど細らせていた。それから彼女が身につけたものも、――お鈴は彼女の安....
「母」より 著者:芥川竜之介
多少想像が出来ないでもない。そう云えば病的な気がするくらい、米噛《こめか》みにも
静脈《じょうみゃく》が浮き出している。
「ね、好《い》いでしょう。……いけなくて....
「夢」より 著者:芥川竜之介
彼女の乳房《ちぶさ》はまるまると綺麗《きれい》にふくらんで行った。それはかすかに
静脈を浮かせた、薄光りのしている乳房だった。わたしは彼女を絞め殺すことに何のこだ....
「或る女」より 著者:有島武郎
せつけてやりたくなったのだ。自分の美しい肉体がむごたらしく傷つけられて、そこから
静脈《じょうみゃく》を流れているどす黒い血が流れ出る、それを愛子が見ているうちに....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
重ってから、なけなしの金を出してして貰った古賀液の注射は、田舎の医師の不注意から
静脈を外《はず》れて、激烈な熱を引起した。そしてU氏は無資産の老母と幼児とを後に....
「三十年後の東京」より 著者:海野十三
ぬってあり、もう一つは青くぬってある。赤い方は、きれいな血がとおる動脈、青い方は
静脈だ。そして人工心臓は、その血を体内に送ったり吸いこんだりするポンプなのである....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ね……」
「そうなんだ」と法水は相手の説に頷いたが、「一説には、頭蓋のサントリニ
静脈は、外力をうけてからしばらく後に、血管が破裂すると云うからね。その時は、脳質....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
ぬってあり、もう一つは青くぬってある。赤い方は、きれいな血がとおる動脈、青い方は
静脈だ、そして人工心臓は、その血を体内に送ったり吸いこんだりするポンプなのである....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
三津子は、すぐに応えられなくて、唇を噛んでいた。紙のように白くなった額に、青い
静脈がくっきり浮んでみえた。 「……あのときはあたくしの心を悩ましている問題がご....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
クイロスという生理学者が、二人の嬰児に、血液循環の実験をしたのだ。それは、片側の
静脈を切って、そこに塩化鉄を置き、反対側の
静脈には、フェロシアン・カリウムを注射....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
言い度い程加奈子には土が珍らしく踏むのが勿体ない。加奈子の靴尖が地面の皮膚の下に
静脈の通っていなそうな所を選んで鷺のように、つつましく踏み立つ。加奈子は辷りかけ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
に見えようも知れません。」 浅葱の絵の具を取って、線を入れた。白雪の乳房に青い
静脈は畝らないで、うすく輪取って、双の大輪の朝顔が、面影を、ぱっと咲いた。 蔓....
「雨」より 著者:織田作之助
既に初めてのった人力車に酔うていたのである。梶棒の先につけた提灯の光が車夫の手の
静脈を太く浮び上がらしていた。尋常二年の眼が、提灯にかかれた「野瀬」の二字を判読....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
た事があるので、早速それを応用してみようと、大いそぎで、ある薬品を調剤し彼の股間
静脈に小さいポンプで二千グラムもの液を注射したのです。それは死体の腐敗を完全に防....