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非命
「非命〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
非命の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
得ないものである。もし又強いて脱そうとすれば、如何なる政治的天才も忽《たちま》ち
非命に仆《たお》れる外はない。つまり帝王も王冠の為におのずから支配を受けているの....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
苗を植え、時には米の売買にもたずさわって来た人である。その年の福島の夏祭りの夜に
非命の最期をとげた植松菖助なぞは御関所番の重職ながらに膝をまげて、生前にはよく養....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
大争いの舞台の上で、あるいは傷つき、あるいは病み、あるいは自刃し、あるいは無慙な
非命の最期を遂げた。思わず出るため息と共に、彼は身に徹えるような冷たい山の空気を....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
。若しいささかでもこれに暴行を加えようものなら、立所に神罰が降るであろう。ここで
非命に斃れた、かの実朝公なども、今はこの樹に憑って、守護に当って居られる……。イ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
よりてのみ知られるに過ぎない。 問『善と悪との戦、その他につきて教を受けたい。』
非命の死と罪悪――地の世界には、週期的に争闘が起るものであるが、霊的眼光を以てこ....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
る土倉の中には命よりも金銭を惜む輩もあって、刃を執って一揆等と渡り合い、夫婦共に
非命の最期を遂げたという話もある。一揆は夜分こそこそ掠奪するのではなく、堂々と篝....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
《ねつぞう》説を書き立てたであろう。 基督《キリスト》がゴルゴタの山上で、かの
非命《ひめい》の最期を遂《と》げたごときも、世人《せじん》は、あの男もとうとう尻....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
修羅闘一場を現出す 死後の座は金※秋水珠を留める涙 花は落ちて春山土|亦香ばし
非命|須らく薄命に非ざるを知るべし 夜台長く有情郎に伴ふ 犬山道節 火....
「大叫喚」より 著者:岩村透
深い谿谷の間に懸っている鉄橋が落ちたりして、為めに、多くの人々が、不慮の災難に、
非命の死を遂げた事が、往々にあったのだが、その頃に、其処を後から汽車で通過すると....
「枯尾花」より 著者:関根黙庵
時の住居人某の女房が、良人に非常なる逆待を受け、嬰児を抱いたまま棟木に首を吊て、
非命の最期を遂げた、その恨みが残ったと見えて、それから変事が続きて住いきれず、売....
「三国志」より 著者:吉川英治
司馬懿|父子は三人ひとつ壕の中に抱き合って、 「ああ、われら父子もついに、ここで
非命の死をうけるのか」となげきかなしんでいたが、なおこの父子の天運が強かったもの....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
女の一生が――いかに大きなこの世の苦患をうけ、苦患は次の苦患を生みかさね、永劫の
非命にもがき悩まねばならないかを。――そしてこのむくいを、男におもい知らさねばと....