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「非国民〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

非国民の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一灯」より 著者:太宰治
けれども、いまは、はにかんでばかりも居られない。黙って、まごついて、それ故に、非国民などと言われては、これ以上に残念の事は無い。たまったものでない。私は、私の....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
きものではないのだ……ソレを自分の物のように心得て、事もあろうに芝居見に行くとは非国民の行為だ……国賊の所業だ……民衆の敵とは貴様の事だ……行くなら行って見い…....
近時政論考」より 著者:陸羯南
発達と言うべし。すでにして仏人の国民精神すなわち愛国心はその適度を越えてほとんど非国民精神を呼び起こしたり。宣言の一条たる四海兄弟の原則は端なく国民といえる藩籬....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
に、意識を超越した天然の向日性に似ている。 本当にもうこれからは、やたらに人を非国民あつかいにして責めつけるような気取ったものの言い方などはやめにしましょう。....
十五年間」より 著者:太宰治
て、太宰は実朝をユダヤ人として取り扱っている、などと何が何やら、ただ意地悪く私を非国民あつかいにして弾劾しようとしている愚劣な「忠臣」もあった。私の或る四十枚の....
惜別」より 著者:太宰治
しい外交的術策なんか。」 「ばからしいとは何だ。失敬な事を言ってはいけない。君は非国民だ。戦争中は、第三国人は皆、スパイになり得る可能性があるのだ。殊に清国留学....
空襲警報」より 著者:海野十三
けつけておくのはいけないよ。敵の飛行機にしらせるようなものじゃないか。おじさんは非国民だよ」 「なに非国民! これは聞きずてにならぬ。子供だからと思って我慢して....
社会時評」より 著者:戸坂潤
と「部分的な」徴兵忌避を気にする必要もなくなるわけで、それだけ少くとも、外見上の非国民は減って行くわけである。そうしてやっても尚進んで徴兵に応じなかったり徴兵を....
神話と青春との復活」より 著者:豊島与志雄
は何等かの故障に依るものであって、民族としての血液の濃度を信頼するならば、それを非国民と呼ぶのは当らず、ただ非青春人と呼ぶべきであろう。 こういう時に当って、....
続堕落論」より 著者:坂口安吾
。現在の日本人は日本国人で、国によって対立しているが、明治に於ける非藩人の如く、非国民となり、国家意識を破ることによって国際人となることが必要で、非国民とは大い....
次郎物語」より 著者:下村湖人
してです。」 「おそらく村や町の生活から孤立することになるだろう。どうかすると、非国民のレッテルをはられることになるかもしれない。少なくとも公然と何かの役割を果....
昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
、そやなア」 赤井は隊の外へ出ると、大阪弁が出た。 「――しやけど、脱走したら非国民やなア」 「うん。しかし、蓄音機の前で浪花節を唸ったり逆立ちをしたり、徴発....
終戦前後」より 著者:織田作之助
ますからね、呆けたまま死ぬのはいやです」 私は隊長にそう答えると隊長はあきれた非国民もいるものだ、こういう非国民が隣組にいるのは心外であるという意味のことを言....
猫と杓子について」より 著者:織田作之助
たのです。猫と杓子が寄ってたかって、戦争だ、玉砕だ、そうだそうだ、賛成だ賛成だ、非国民だなどと、わいわい言っているうちに、日本は負け、そして亡びかけたのです。 ....
夜の構図」より 著者:織田作之助
がはびこるし、戦争なんか始ったおかげで、何もしたい事出来ないわ。こんな事言うと、非国民みたいだけど、あたし、みんなの様に夢中になれないの」 「したいことって、ど....