非常[語句情報] »
非常
「非常〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
非常の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
い。小さい円の中の彼の顔は全体に頗《すこぶ》る朦朧《もうろう》とした上、鼻ばかり
非常にひろがっている。幸いにそれでも彼の心は次第に落着きを取り戻しはじめた。同時....
「河童」より 著者:芥川竜之介
立った中には参詣《さんけい》人が何人も歩いていました。しかしそれらは僕らのように
非常に小さく見えたものです。そのうちに僕らは腰の曲がった一匹の河童《かっぱ》に出....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
《ひきだし》に、まだ何か発表しない原稿があるかも知れません。
編輯者 そうすると
非常に好都合ですが――
小説家 (机の抽斗を探しながら)論文ではいけないでしょう....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
とこれと、来月出す「明君」とは皆、同じ人の集めてくれた材料である。
○同人は皆、
非常に自信家のように思う人があるが、それは大ちがいだ。ほかの作家の書いたものに、....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
げんな顔をして、藤左衛門を見た。相手は、この話をして聞かせるのが、何故《なぜ》か
非常に得意らしい。
「今も似よりの話を二つ三つ聞いて来ましたが、中でも可笑《おか....
「白」より 著者:芥川竜之介
させた後《のち》、箱根《はこね》方面へ逸走《いっそう》した。小田原署はそのために
非常動員を行い、全町に亘《わた》る警戒線を布《し》いた。すると午後四時半ごろ右の....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
、村はずれの空地《あきち》を歩いていた。
「第×師団の余興は大成功だね。N閣下は
非常に喜んでいられた。」
中村少佐はこう云う間《あいだ》も、カイゼル髭《ひげ》....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
ほとんど、動いているとは受取れないくらいである。おまけに、この間の水なるものが、
非常にきたない。わらくずやペンキ塗りの木の片《きれ》が黄緑色に濁った水面を、一面....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
。が、中でもいちばん大部だったのは、樗牛全集の五冊だった。
自分はそのころから
非常な濫読家だったから、一週間の休暇の間に、それらの本を手に任せて読み飛ばした。....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
靴下にはいつも馬の毛がくっついているから。……
「十二月×日 靴下の切れることは
非常なものである。実は常子に知られぬように靴下|代《だい》を工面《くめん》するだ....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
》を渉猟《しょうりょう》していた。が、「さまよえる猶太人」を取扱った文献の数は、
非常に多い。自分がそれをことごとく読破すると云う事は、少くとも日本にいる限り、全....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
がやめて、その後任が欲しいのだが、なる気かどうか」という事であった。ファラデーは
非常に喜び、二つ返事で承諾した。 それで、一八一三年三月一日より助手もあてがわ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
、わたしが今話をしていることのおこった当時には、歴史に名高い物語や偉人が輩出した
非常にめぐまれたところであった。独立戦争中は、イギリスとアメリカとの境界線が、こ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
判事たちも、二つの凹んだ眼が光っている彼の痩せた顔に、大きな敬意を表するために、
非常に低く頭を下げて挨拶をしたものだった。 彼は犯罪を追求して弱いものを保護す....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
作『ドグラ・マグラ』も此の頃から書き始められたのではあるまいか。 久作さんは又
非常な情熱家であった。かつて久作さんや次兵衛達によって短歌会が持たれていた頃、た....