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非時
「非時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
非時の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
代的産物で、とにも角にも、彼女と金魚とは切っても切れない縁があるのか。 彼女を
非時代的な偶像型の女と今更憐みや軽蔑を感じながら、復一はまた急に焦り出し、彼女の....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
啓蒙はプロパガンダにも増して、この意味に於て、より原則的であり、従って又それだけ
非時局的なので、アジテーションが戦術的スローガンを、プロパガンダが戦略的分析を、....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
の行道するを見ればすなわち起ちて行道し、人の持斎するを見ればまたすなわち持斎す。
非時に食を与うれども食わず、ただ浄水を得飲まんと欲するのみ。後日斎を解くに至り、....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
は常に、思想が躍如として現われる。例えばジャーナリズムが何か非日常的・超常識的・
非時事的・非政治的な部門の学芸を取り扱う時も、必ず之に何か思想的・哲学的・世界観....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
隅、以前|医師の邸の裏門のあった処に、むかし番太郎と言って、町内の走り使人、斎、
非時の振廻り、香奠がえしの配歩行き、秋の夜番、冬は雪|掻の手伝いなどした親仁が住....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
てだけに食事をする。午時を過ぎては「過中不飲漿」である。もし正午十二時を過ぎての
非時に於て食事を許さば、貪心《たんしん》たちまち生じて善法を修《しゅ》するを妨ぐ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
のついでに讃岐安益郡(今の綾歌郡)にも立寄られたのであっただろうか。「時じみ」は
非時、不時などとも書き、時ならずという意。「寝る夜おちず」は、寝る毎晩毎晩欠かさ....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
、先に立っている水野が笑いながら答えた。「きょうは一度も喧嘩はない。地獄の餓鬼も
非時には有り付かれぬ。ははははは」 だんだん訊くと、それはこの群れではなく、あ....
「人形芝居に関するノオト」より 著者:竹内勝太郎
之れを空間的な距離に置変えたのであり、主人公が旅中に出会う様々の不幸や障害はこの
非時間的距離を外的事件の障害に変形したものである。 それは象形文字《イエログリ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の粉をくれるという始末。ところでいつも私は午後にはそういう物を用いない。すなわち
非時食戒を持って居るのでこれは戴きませんと断ると、そのお婆さんは大層感心して、こ....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
けた蜜柑は、みな盃の糸底ほど小粒である。蜜柑というよりは、平安朝貴族の珍重した“
非時香果”とか“橘”と呼ぶ名の方がふさわしい。 一路、自動車は、高松市へ引っ返....