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非番
「非番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
非番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
タイ、靴《くつ》などの調和の少しも取れていないくせに、むやみに気取った洋装をした
非番の下級船員たちが、ぬれた傘《かさ》を光らしながら駆けこんで来た。その騒ぎの間....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
夜で、永らくひっかかっていた某大事件を片付けてしまったその肩の軽さと、久しぶりの
非番を味う喜びとで、子供のように、はしゃいでいた。三年こっち病みつきの麻雀を、今....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
郎に向って、 「喜多公が相棒だから――」と言っているが、事実その夜、田中技手補は
非番であって、変電所の日記によってもそれは明らかな事であった。では何故土岐がこん....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
うむ」警部は呻った。 「専務車掌は倉内銀次郎か、どうか」 「違います。倉内は今日
非番で、出てこないそうです」 そう言っているところへ、赤と金との筋の入った帽子....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
なんとも言えない陰にこもった呟くような木霊を伴うのだった。 「……わたしは今夜は
非番でしたが、あの友田看守は、このごろ昼間無電のほうをチョイチョイ手伝いますので....
「三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
た。宇利氏は再び向きなおって、さっさと仕事をつづける。静かなものだ。 その晩、
非番になった宇利氏は、赤帽溜へやって来て、ボンヤリしている伝さんへ、笑いながら切....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
ゃんが、室内競技場へ行こうと、さそってくれた。正吉は、いっしょに行った。そこには
非番の艇員たちが、声をあげて遊んでいた。正吉たちもその仲間にはいって、バスケット....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ました。今夜はどういうものか、ひっきりなしに、本船へ無電がかかってくるそうです。
非番のものまでたたき起して、送受信にとてもいそがしいと、並河技師からいって来まし....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
方へ階段をのぼっていったのだった。 小食堂には、先におきた艇夫たちと、それから
非番の艇夫たちが、卓をかこんで、さかんにぱくついたり、茶をがぶがぶのんだり、それ....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
戦争の噂 それは、まだごはんにはすこし早いという或る冬の日だった。 丁坊は
非番でホテルへはいかず、自分の部屋で、飛行機づくりに夢中になっていた。 そのと....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
りごしの警官に挨拶をして、三階の広間へトントンと上っていった。 「ほう、君はまだ
非番にならないかネ」 と、帆村は昨夜から顔を見せている警官に云った。 「駄目な....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
寄り前方に、飛行島が見える!」 おお飛行島! いよいよ飛行島が見えだしたか。
非番の水兵たちは、だだだっと昇降口をかけあがってくる。 飛行島上陸 望遠....
「鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
。 夜の十一時頃に、わたし達は町と村との境にある弁天の祠のそばを通った。当夜の
非番で、村の或る家の俳句会に出席した帰り路である。連れの人々には途中で別れてしま....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
せはじめた。 ところが、虫がおさまらないのは蜂須賀巡査だ。夕方の交代時間が来て
非番になると、相変らず悶々と考え続けながら秋森家へやって来た。そして勝手口の例の....
「真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
通りに小さい隠居所をかまえていて、秋山とは年来の碁がたきであった。秋山もきょうは
非番であったので、ひる過ぎからその隠居所をたずねて、例のごとく烏鷺の勝負を争って....