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靡かす
「靡かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
靡かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
岸花は、萩、女郎花、嫁菜の花、何よりも初秋の栄を見せるのが、紅く白く沢々と絹総を
靡かす様な花薄である。子供が其れを剪って来て、十五夜の名月様に上げる。萱は葺料に....
「旅愁」より 著者:横光利一
た期待を人人に与えて美しかった。歩廊に溢れた出迎えの群衆は帽子を振るもの、手巾を
靡かすものでどよめき返した。初めのうちは甲板に並んだ乗客らの顔も、ただ黒い一線と....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
市町の西に大阿太村がある。その附近一帯の原野であっただろう。葛の生繁っているのを
靡かす秋風が吹く度毎に、阿太の野の萩が散るというのだが、二つとも初秋のものだし、....
「夢と人生」より 著者:原民喜
なもの狂おしい気分は植物園の空気のなかにも閃めいた。急に湿気を含んだ風が草の葉を
靡かすと、樹木の上を雲が走って、陽は翳って行った。すると光を喪った叢の翳にキリス....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
二階からふと瞰下した隣の桟橋に歳十八ばかりの細そりとしたるが矢飛白の袖夕風に吹き
靡かすを認めあれはと問えば今が若手の売出し秋子とあるをさりげなく肚にたたみすぐそ....