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「面する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

面するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十円札」より 著者:芥川竜之介
したのは失礼である。のみならず、―― 保吉はこの「のみならず」の前につむじ風に面するたじろぎを感じた。のみならず窮状を訴えた後《のち》、恩恵を断るのは卑怯《ひ....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
衆は人格や事業の偉大に籠絡《ろうらく》されることを愛するものである。が、偉大に直面することは有史以来愛したことはない。 広告 「侏儒《しゅじゅ》の言葉....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
やっと立ち上った。ペンキ塗りの校舎に沿いながら、もう一度庭を向うへ抜けると、海に面する運動場へ出た。土の赤いテニス・コオトには武官教官が何人か、熱心に勝負を争っ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
ると誰か見てへんやろかと、もう警戒の眼を光らせた。 (お前の母親はお前の学資を苦面するために、この暖簾をくぐったのだぞ)そう自分に言い聴かせて、はじめて暖簾をく....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
両ずつの金を二度うけ取った。しかしそんな事で済むわけは無いので、あとの金を早く工面するように迫っているが、多左衛門はなぜか渋っているので、とかくに埒が明かないと....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
げながら、息せき切って配縄をたくし上げている。君は子供のように思わず耳もとまで赤面する。 「なんというだらしのない二重生活だ。おれはいったいおれに与えられた運命....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
肝要なるは完成することであって完成ではなかった。かくのごとくして人は直ちに天に直面するようになった。新しい意味は次第に生の術にはいって来た。茶は風流な遊びではな....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ごろから春の七草、すなわち小学校の冬季休業のあいだは、元園町十九と二十の両番地に面する大通り(麹町三丁目から靖国神社に至る通路)は、紙鳶を飛ばすわれわれ少年軍に....
道なき道」より 著者:織田作之助
東京で行われた。 寿子は大阪で行われた予選で第一位を占めた。庄之助は、旅費を工面すると、寿子を連れて上京した。 コンクールの課題はコレリー作の「ラフォリア」....
思い出草」より 著者:岡本綺堂
十四、五日頃から春の七草、即ち小学校の冬季休業の間は、元園町十九と二十の両番地に面する大通り(麹町三丁目から靖国神社に至る通路)は、紙鳶を飛ばす我々少年軍に依て....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
らなかったそうだ。 鴎外の花園町の家の傍に私の知人が住んでいて、自分の書斎と相面する鴎外の書斎の裏窓に射す燈火の消えるまで競争して勉強するツモリで毎晩夜を更か....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
総督が、まるでメディナ・シドニアの声調を受けついでいるではないか。人々は敵襲に直面するほかはない、三位一体に信頼するほかはないのだった。つづいて情報は、イギリス....
西航日録」より 著者:井上円了
左のごとくうそぶけり。 よく出来た造化の筆のてぎわ哉 その風景、あたかも画幅に面するがごとし。 雨過五湖春色研、近山如笑遠山眠、不知造化有何意、画幅懸来瑞北天....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
策を実行することをお約束申します。以上で演説を終りますが、総選挙終了後、日本の当面する最大の問題は、第一は中国との国交回復の問題であり、第二には憲法を擁護するこ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
た大空や、漫々たる海上を眺めたことがありませんか。悠久無限を想わせるようなものに面すると、私たちの欲望、怒り、知識経験の如何に小さく、つまらないものであるかを嘆....