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面上
「面上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
面上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「煙管」より 著者:芥川竜之介
従わなければならない。斉広には一方にそう云う弱みがあった。それからまた一方には体
面上|卑吝《ひりん》の名を取りたくないと云う心もちがある。しかも、彼にとって金無....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
」 渠は茫々《ぼうぼう》たる天を仰ぎて、しばらく悵然《ちょうぜん》たりき。その
面上《おもて》にはいうべからざる悲憤の色を見たり。白糸は情に勝《た》えざる声音《....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
五氷河期がついに来たのであった。 博士は、別に誇らしげにも見えない。いや博士の
面上には、以前にもまして沈痛の色がただよっている。 (ここまでは氷河期と闘ってき....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、八卦の亡者と大差はない、迷いはむしろそれ以上である。 所以ある哉、主税のその
面上の雲は、河野英吉と床の間の矢車草……お妙の花を争った時から、早やその影が懸っ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
だんに集団を作るような部分が完全に対称的に配置されているならば、これらが皆同一平
面上にある以上は、すべての遊星が皆完全な円形軌道を取るようになるはずである。それ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
だ。僕の心の奥が絶えず語っていたところと寸分も違わない。 しかし、僕も男だ、体
面上、一度約束したことを破る気はない。もう、人を頼まず、自分が自分でその場に全責....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
だ。そいつは相当大きな誤差だ。君が来たので、丁度うまく補正ができた」といってその
面上にかすかに悦びの色を浮べた。「いま手紙を書くから、待っていてくれ給え。――」....
「金属人間」より 著者:海野十三
はいつとかれるのであろうか。 白昼《はくちゅう》の怪《かい》 長戸検事の
面上に、ゆううつな影がひろがっていく。まったく奇怪《きかい》な事件だ。 室内に....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
るようだから、氏に進呈したまえ」 「ははあ」 警部は、わざとらしく愕いて帆村の
面上へ目を据えた。それから死んだ鼠を、うやうやしく帆村の方へ差出した。 「ありが....
「怪塔王」より 著者:海野十三
あったでしょうか。それは塔の頂上から五六メートル上に、不発の爆弾がたくさん同じ平
面上にならんでいるのがちょうど傘をかぶったように見えるのです。 「これは不思議だ....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
うです。早くいえば、そうです」 博士は、しばらく考えこんでいた。が、やがてその
面上には、決心の色がうかんできた。 「仕方がない。わしの知っていることを、君にお....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
や、忽然として空中に浮動するを発見せり。早速ガラス製と思われる窓より、離れゆく月
面上を見るに、本乗物の飛行を知って火星人らは痛く驚愕狼狽の模様なり、考うるに、本....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
とりまく諸国――つまり英国が主となり、仏国、米国、オランダ、暹羅、中国の諸国を表
面上の株主として、莫大な建造費を出しているのだった。工費は、おどろくなかれ千五百....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
大通りの辻に、老舗の書店の軒に、土地の新聞を、日ごとに額面に挿んで掲げた。表三の
面上段に、絵入りの続きもののあるのを、ぼんやりと彳んで見ると、さきの運びは分らな....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
いた。不味い下宿屋の飯を喰っていても牛肉屋の鍋を突つくような鄙しい所為は紳士の体
面上すまじきもののような顔をしていた。が、壱岐殿坂時代となると飛白の羽織を着初し....