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面喰い
「面喰い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
面喰いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
り性《しょう》でしたので、指《さ》し図《ず》がなかなか八釜《やかま》しくて職人は
面喰い通しだったそうです。型の方も特にこの衣裳のために改めた箇所があります位で、....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
人の傍聴人達を、グルッと取巻いちまったんです。一網打尽って形ですよ……いや全く、
面喰いましたよ……すると、真ッ先にその傍聴群の真中へんにいた、こうゴルフ・パンツ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
品が好いので座敷の光る梅千代など、お神が弁天さまの砂糖漬がお好きといわれるほどの
面喰いであったところから、金に糸目をつけず、綺麗首を揃えたのだったが、その中で契....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
か。――赤札の第一号のカワカミ氏は、ばかに鄭重に風呂場へみちびかれた。 すこし
面喰いながら風呂に入ると、男がきてしきりに体を洗ってくれる。このとき彼は、天井の....
「或日」より 著者:宮本百合子
問を感じた。迂遠な私は、落付いて一休みして行く積りなのだと思って居たのであった。
面喰い、猶も同じ疑問に拘泥して居る間に、彼は、薄平たい風呂敷包みを持って立ち上っ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ず断案を頭から、たずねた人の真向《まっこう》へおろしてしまったには、お雪ちゃんも
面喰いました。 「変人!」 変人だか、常人だか、それを聞くのではない。そんな断....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
あっけ》に取られた献上隊の目と鼻の間です。 「あっ!」 と、これにはまた事実上の
面喰いで、予期しなかった目つぶし。相手にこれほどの飛道具が有ろうとは思わなかった....
「香奠」より 著者:豊島与志雄
と食堂だけで、街路がみな廊下の延長……愉快です。」 それを聞くと、私の方が一寸
面喰いました。 「へえー、そんなつまらないことが……。」 「つまらなくはありませ....
「道化役」より 著者:豊島与志雄
は嬉しかった。村尾はなお当時のことを笑いながら話した。 「全く突然のことで、僕も
面喰いましたよ。松浦久夫という、以前小さな或るグループを拵えていた仲間で、自由労....
「探偵小説アルセーヌ・ルパン」より 著者:婦人文化研究会
には馴れていますから、大抵の事は心得ているつもりですが、今度という今度はさすがに
面喰いましたよ。』 『冗談じゃない!』 『どうしてです。』 『そんな事があるもの....
「青玉の十字架」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
』と言うんです。『へえ』と言って私が勘定の多いのをお見せしようとすると、すっかり
面喰いました」 「どうしたんだね」と質問者が言った。 「さあ、私は誓ってもよいん....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
すよ。 (2)は、今までにない分数の問題です。慣れないものにぶつかると、ちょっと
面喰います。面喰うところが、なかなかいい気分であります。そうは思われませんか。 ....
「藪の鶯」より 著者:三宅花圃
ヲつけ。 女「あぶないもんだ。そうはいうものの。むこうは面がいいのにおまえさんが
面喰いだから。 男「馬鹿な。 女「ソンナラ大丈夫かえ。 男「当りまえよ。耳をかし....
「謎の咬傷」より 著者:小酒井不木
の引致が出来なかったのさ」 「あの最後の言葉を仰しゃったとき、僕ははじめちょっと
面喰いましたよ」 「だが谷村にはピンと響いたのだろう。大切な秘密だからねえ。いや....
「想い出」より 著者:古川緑波
ンを、皿に載せないで、直《じ》かに、テーブルクロースの上へ置かれたのに、いささか
面喰いつつ――パンの粉を、黒ん坊のウェイターが、時々刷毛で掃除して呉れた。――先....