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「面壁九年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

面壁九年の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
懶惰の歌留多」より 著者:太宰治
きる悪徳も、少い。臥竜《がりょう》。おれは、考えることをしている。ひるあんどん。面壁九年。さらに想を練り、案を構え。雌伏《しふく》。賢者のまさに動かんとするや、....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
インドから唐土に渡って、河南のほとり崇山に庵室《あんしつ》をいとなみながら、よく面壁九年の座禅修業を行ないつづけたと伝えられている、あの達磨禅師をかたどった紋様....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
反対側の、東側の赤煉瓦塀に向って演説をしているところで御座います。 「……達摩は面壁九年にして、少林の熊耳と云われました。故に吾人は九年間面壁して弁論を練り、糊....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
宗坊主が寄附を頼みに来ると法螺丸曰く、 「禅宗は仏教のエキスみたいなものですな。面壁九年といって、釈迦一代の説法、各宗の精髄どころを達磨という蒸溜器に容れて煎じ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
のものじゃないよ。斬るか、斬られるか、真剣抜打の応酬なくんばあるべからざる処を、面壁九年、無言の行だ。――どうだい、御前、この殿様。」 「お止しよ、その御前、殿....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
奴はいないよ。三方損の運命に、甘んじるべきや、否や、これ実に、小生一生の大問題、面壁九年の一大事であったです。しかし、面壁、一週間足らずで、解決したね。三方損。....
旅への誘い」より 著者:織田作之助
もせず、いかにも達磨さんめいたくりくりした眼で、ケラケラと笑っていた。 「達磨は面壁九年やけど、私は三年の辛抱で済むのや。」 三年経てば、妹の道子は東京の女子....
文明教育論」より 著者:福沢諭吉
賦に備わりて偶然に発起するものなりといえども、智恵は然らず。人学ばざれば智なし。面壁九年能く道徳の蘊奥《うんおう》を究むべしといえども、たとえ面壁九万年に及ぶも....