面変り[語句情報] » 面変り

「面変り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

面変りの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
花吹雪」より 著者:太宰治
噛む事かなわず、わずかにお粥をすすって生きのび、またわが面貌も歯の無き時はいたく面変りてさらに二十年も老け込み、笑顔の醜怪なる事無類なり、ああ、明日よりの我が人....
」より 著者:徳田秋声
しい階下の離房の方へ床をのべて臥ていた。そのころ先生の腫物は大分痛みだしていた。面変りしたような顔にも苦悶の迹が見えて、話しているうちに、時々意識がぼんやりして....
小祝の一家」より 著者:宮本百合子
せた。部屋のいることをも、そのとき話したのである。 髪にウェーヴをかけたため、面変りして見える乙女が、夜更けてかえるときっと一度は勉のテーブルの横へ立ち、気疲....
加護」より 著者:宮本百合子
ろうか。こんなことが、あってよいものだろうか。 膝で進んで顔被いをとり、さほど面変りもしない友の容貌を見守ると、始めて彼女の眼からは、とめどない涙が流れ出した....
鉄面皮」より 著者:太宰治
の、とあのお方にお尋ねなさるのでした。あのお方のお顔には疱瘡の跡が残って、ひどい面変りがしていたのです。お傍の人たちは、みんなその事には気附かぬ振りをしていたの....
十二支考」より 著者:南方熊楠
当然の辛労である。さて人が七十以上生き延ぶる時は、その背《せ》傴《かが》み、その面変り、その心曇り、小児めきて児女に笑われ、痴人に嘲らる。これもと猴から受けた三....
図書館」より 著者:宮本百合子
の物語が、そこから溢れてこちらの胸に流れ入るように感じられた。歳月によって老い、面変りした正面の顔、それにもかかわらず失われることのないその人の俤が小さく保たれ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
あっちからいくつか写真を送ってよこしています。そちらには一つも送りませんか、何か面変りして見えます、いかつうなったと云っていらっしゃる。 きょうは隆ちゃんの宇....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いる様子でした。昔のわが家というものをそとから眺めるのは不思議な感じね、すっかり面変りがしていますから。目白もそうよ。 六月十日 (消印)〔巣鴨拘置所の顕治宛....
かもじの美術家」より 著者:神西清
棺のそばへ行って、お別れをしたのですよ。そしてわたしは……そう、あの人はすっかり面変りがして、これがあの人かとびっくりするほどでした。痩せこけて、まっ蒼な顔をし....
冒した者」より 著者:三好十郎
ッと入って来る。これまでの淡々として枯れ切ったような人柄が一変していて、ほとんど面変りしたように眼がギラギラと殺気立っている。入って来るなり、その辺の様子をチラ....
はつ恋」より 著者:神西清
は限らなかった。彼女には相も変らず、何やら不可解なことが起りつつあった。すっかり面変りがして、何から何まで、まるで別人のようになってしまった。 なかでも、彼女....