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面持
「面持〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
面持の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
気色《けしき》とは見えない。一応《いちおう》云うことの順序か何か考えているらしい
面持《おもも》ちである。治修《はるなが》は顔色《がんしょく》を和《やわら》げたま....
「或る女」より 著者:有島武郎
貞世を六畳から呼び返さした。
やがてその六畳から出て来た愛子は、さすがに不安な
面持《おもも》ちをしていた。苦しくってたまらないというから額《ひたい》に手をあて....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
ない。もっともおはまは、出立という前の夜に、省作の居間にはいってきて、一心こめた
面持ちに、 「省さんが東京へ行くならぜひわたしも一緒に東京へ連れていってください....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
であった。 三頭目の斃牛を化製所の人夫に渡してしまってから、妻は不安にたえない
面持ちで、 「こう間の悪いことばかり続くというのはどういうもんでしょう。そういう....
「階段」より 著者:海野十三
、ミチ子と、それから何ということだろう、友江田先生とが、ピッタリ寄り添って深刻な
面持で密談をしていたではないか。 「これは、古屋君」 「先生、えらい事件が起りま....
「海底大陸」より 著者:海野十三
皆がニコニコしているのにひきかえ、スミスただ一人、歯がいたみでもするような沈痛な
面持を見せていた。 かれはどんな考えを胸に秘めているのだろう。 ルゾン号の魚....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
たしにいってください」 そういうテイイ事務長のことばに、ロバート大佐はふまんの
面持でうしろの随員のほうへふりかえった。 「すると、ご持病で苦しんでいられるので....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
リカ人ですか」 と、山岸少年がたずねた。少年もいっこうわけがわからないといった
面持だ。 「敵といえば、わかっているよ。例の緑色の怪物だ。いや、ここでは緑色の衣....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ずかしいぞ」
博士は、ひとりごとを言って、また歩き廻る。
新田先生は、不審の
面持だ。
(地球の最期を映画なんかにおさめたって、どうにもならないではないか。な....
「怪塔王」より 著者:海野十三
た。 「うむ、博士はやっぱりこの中に居られたね、ふふむ」 と大尉はなにか意外な
面持で、ひとりで感心していました。大尉は博士が留守のようにおもっていたらしくおも....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
その足で、杉田二等水兵の分隊へ行った。 そこでは分隊長以下が集って、憂わしげな
面持で、一枚の紙切を読んでいるところだった。 「杉田二等水兵が姿を消したそうだな....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
く愛馬の鼻を、いつまでもいつまでも軽く撫でてやりました。その時の若月のうれしげな
面持……私は覚えず泪ぐんで了ったのでございました。 しばらく馬と一|緒に遊んで....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
的に眼を通した。が、その間も勿論あの小娘が、あたかも卑俗な現実を人間にしたような
面持ちで、私の前に坐っている事を絶えず意識せずにはいられなかった。この隧道の中の....
「科学時潮」より 著者:海野十三
なかった。というのも怪人は人を殺すということなんか、別に罪悪だと考えられぬらしい
面持であった。 一行と怪人との争闘が始まったが、結局一人の怪人に一行は全く征服....
「米」より 著者:犬田卯
算盤を再び懐中して、馴れた手つきでハンドルを握った。一刻を争う……といったような
面持で、「それじゃ、まア、せっかくおかせぎ――」 四 田圃へかえると....