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「面桶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

面桶の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
山椒大夫」より 著者:森鴎外
が、あすからはめいめいがもらいに来ると誓って、ようよう※子《かれいけ》のほかに、面桶《めんつう》に入れた※《かたかゆ》と、木の椀《まり》に入れた湯との二人前をも....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
多少富裕な家の息子の果であろう。乞食になっても権高で、中々吾儘である。五分苅頭の面桶顔、柴栗を押つけた様な鼻と鼻にかゝる声が、昔の耽溺を語って居る。仙さんは自愛....
十二支考」より 著者:南方熊楠
多し、土伝に昔ノーヅツ(上述|野槌《のづち》か)ここに棲み長《たけ》五、六尺太さ面桶《めんつう》ほどで、頭と体と直角を成して槌のごとく、急に落ち下りて人々を咬《....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
ってみました。 『ホラ……余り物ば遣るぞ』 と云うて蒲鉾小舎の入口に乾いて在る面桶に半分ばかり入れてやりましたので、非人はシキリに押頂いておりましたが、暫くし....
十二支考」より 著者:南方熊楠
らもち》様の小獣で悪臭ありというが、『沙石集』の説に近い。あるいは、長五、六尺で面桶《めんつう》ほど太く、頭が体に直角をなして附した状、槌の頭が柄に著いたごとし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
きにかかりました。 その弁当というのが、一かたけに約五合炊ぐらいははいる古風な面桶《めんつう》で、その中には梅干が二つと、沢庵が五切ればかり入れてあるだけのも....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
どは、今夜はきっと鳴るという噂で、夜中に飯を炊いた。弁当は飯に梅干と沢庵を添えて面桶に入れ、これを網袋に入れて腰に附けるのだ。私の弁当は祖母と一緒というのであっ....
怪しの者」より 著者:国枝史郎
、下女下男までが親切で、わたしの顔を見ますると「勢州が見えたから何かやりな」と、面桶の中へ、焚きたてのご飯などを、お入れ下さるのでございます。さてその日も、ご飯....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
ばかりの岩魚を釣って来て、今夜は岩魚の寝入っているのを捕えて来るというて、頻りに面桶を入れていた網などを利用して、手網のようなものを製作している、自分は岩魚の寝....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
いる籠などの類に、形に特色あるものを見かけます。こういう地方的な品物の中で、「竹面桶」の如きは全く他にない品と覚えます。他では杉か檜の曲物細工でありますが、これ....