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「面構え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

面構えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
出世」より 著者:菊池寛
りと残っているのは、大男の方であった。六尺に近い大男で、眉毛の太い一癖あるような面構えであったが、もう六十に手が届いていたろう。もう一人の方は、頭のてかてか禿げ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
ていた。やがてけたゝましい音を立てゝ、電車は石子の前を通り過ぎたがその時に一人の面構えの獰猛な男が電車の戸口から一杯人の詰っている車掌台へ出ようとあせっている姿....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
人もいない。みなラ・サンテの監獄で見た泥棒や詐偽と同じような、あるいはそれ以上の面構えをしている。 が、もう正午だ。みなぞろぞろと昼飯を食いに出かけ始める。僕....
続獄中記」より 著者:大杉栄
ピストル強盗といったような形で赤い着物がよく似合うとからかわれていたほどの物騒な面構えなのにもかかわらず、危く監獄でこの犠牲になろうとしたことがあった。 千葉....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
額との勝れて小さい、譬えて見れば、古道具屋の店頭の様な感じのする、調和の外ずれた面構えであるが、それが不思議にも一種の吸引力を持って居る。 丁度私が其の不調和....
沈没男」より 著者:海野十三
べて、なにやら海上を指しているのを見た。軍人あがりとかいう噂だが、なかなか逞しい面構えのパイロットで見るからに頼母しく感じた。 この調子では、夕方までには、ロ....
軍用鼠」より 著者:海野十三
に正直な奴が居た験しがない。ことに貴様は、ちかごろここへ現れたばっかりだが、その面構えは本国政府からチャンと注意人物報告書として本官のところへ知らせてきてあるの....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
。それは相当悲しむべき声である。そのもっとも大にして年経たものはすさまじき酋長の面構えで、多くの女鹿をしたがえて威張っている。 彼はこの季節になると軒に干して....
計略二重戦」より 著者:甲賀三郎
呼鈴を押しました。やがて、扉をノックして入って来たのは、背の高い、見るから獰猛な面構えをした外国人でした。 「ソーントン。お客さんを地下室に御案内なさい」 シ....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
爺さんの遺言」で主役の爺さんをやった人です。ところが、ルイ・ジューヴェと来ては、面構えからして一と癖も二た癖もありそうなところへもって来て、コポオの言うことでさ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
いるということは、劇場と動物園以外の場所が、そして実にチョッピリと俗でないような面構えを示している場所が、ここを占領している難民たちにいかに完璧に黙殺され無視さ....
奉行と人相学」より 著者:菊池寛
、比較して考えるようになったのである。 が、大抵の場合、人殺しや、強盗は凶悪な面構えをしているし、かたりは、ずるそうな顔をしている。 が、折々愚直そのものと....
おせっかい夫人」より 著者:岡本かの子
ほど世話になった花子夫人の玄関へ御礼の言葉一ついい掛けるでもなく、それこそ不敵な面構えをして、さっさと歩き去りました。男は東京の山の手を荒していた空巣ねらいでした。....
」より 著者:犬田卯
にが虫をかみつぶしたような」という形容詞があるが、それがそっくり当てはまるような面構えで、むっつりと壁面かどこかを睨まえている。 「本年度の予算案について、田辺....
洗いづくりの美味さ」より 著者:北大路魯山人
る。 東京築地の魚河岸における朝の生簀には、その偉容、実に横綱玉錦といった風な面構えをもって、水底に悠然たる落着きを見せている。美味さ加減は大きさで四百匁くら....