面目を失う[語句情報] » 面目を失う

「面目を失う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

面目を失うの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
くに装《よそお》え。昂然《こうぜん》として水準以下に取り扱え。――気がついた男は面目を失うに違ない。これが復讐《ふくしゅう》である。 我の女はいざと云う間際《....
坑夫」より 著者:夏目漱石
》まで見ず知らずの自分を親切に連れて来てくれたと云う事が知れ渡れば、この案内者は面目を失うにきまっている。責任のある自分が、責任を抛《ほう》り出して、先へ坑《あ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のであろう。そんな騙りめいたことをして済むと思うか。第一、売り先に対してわたしが面目を失うことになる。この始末はどうしてくれると、其月はひたいに青い筋をうねらせ....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
いは二人でそれを分けてたべる。そして舌打している所へその本人が帰って来て、大いに面目を失うことも随分あった。また飯も一つの小さい飯櫃で銘々に与えられていたので、....
範疇としての空間に就いて」より 著者:戸坂潤
あり、範疇の問題は「判断の問題」及び「主観の問題」へ関係せしめられねばその本来の面目を失うて了うからである。故に範疇は今の場合の意味での客観に属すものではない。....
」より 著者:カフカフランツ
ろで、そういう服をああしてバルナバスはもっていないんです。それは何か恥かしいとか面目を失うとかいうことだけでじゃなくて(そんなことなら我慢もできるでしょうが)、....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
位であります。もちろん外にも大乗仏教国はあるけれども萎靡振わずしてほとんどその真面目を失うて居ります。 今日世界における二つの大乗仏教国が互いに相知り相|交っ....
頼朝の最後」より 著者:田中貢太郎
親を呼ばして罵り、怒りに顫える手に刀を抜いて宗親の髪を截った。これがために時政は面目を失うて領地へ帰ったことがあった。政子はこんなことを思い浮べながらじっと考え....
私本太平記」より 著者:吉川英治
数は逆である。 日ごろ、彼らの浮華に反目して、古風を頑守し、本来の気風と弓取の面目を失うまじとしている武士もまた多かったのだ。さもなくば、北条九代の末が、一日....