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「革張り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

革張りの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:ゴーゴリニコライ
が宿は、世にも惨めな、きたならしいものに思われた。控室へ入って見ると、汚れきった革張りの長椅子に長々と仰向けに寝そべった下僕のイワンが、天井へ向けて唾を吐きかけ....
骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
穂が出た事は、御記憶で御座いましょう」 署長はこの辺の炭坑主が寄附した巨大な、革張りの安楽椅子の中から鷹揚にうなずいて見せた。 「ウムウム。知っとるどころでは....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
の鼻の先に突き付けた。 しかし総監はちらりと見たまま受け取ろうともしなかった。革張りの巨大な椅子をギューギュー鳴らしながら、太鼓腹を突き出して反りかえりつつ、....
冥土行進曲」より 著者:夢野久作
の中で立上って座席のクッションを持上げてみた。 ……何と……座席の下はチャント革張りの寝床になって、空気枕さえ置いてある。四方が金網張りで、空気が、自由に出入....
微笑」より 著者:横光利一
案内した。そこには佐官以上の室の標札が懸っていた。油の磨きで黒黒とした光沢のある革張りのソファや椅子の中で、大尉の栖方は若若しいというより、少年に見える不似合な....
旅愁」より 著者:横光利一
睡蓮の絵が満ちていた。一人の人もいない森閑としたその部屋の中央に、ただ一つ褐色の革張りの小さなベンチが置いてある。そこに二人は並んで腰を降ろすと、丁度沼の中の留....
地獄の使者」より 著者:海野十三
子を、彼の大机の方へ引寄せて土居に薦めた。そして帆村自身は、大机に附属している皮革張りの廻転椅子に尻を下ろした。その廻転椅子は心棒がどうかしていると見え、彼が尻....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
格別ぜいたくらしいところがなかった。家具類は二十年代の流行おくれな、マホガニイの革張りだった。そればかりか、床にペンキさえ塗ってないほどであった。その代わり、全....
坂田の場合」より 著者:豊島与志雄
いる。煖炉の前の椅子、横手の長椅子、みな新式の贅沢なものだが、片隅に、西洋渡来の革張りの青い小椅子が二つ忘れられている。壁には、ロダンの女の素描と南洋の仮面とが....