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「革紐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

革紐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
》ぐるの輩《はい》にあらざるなり。 御者は書巻を腹掛けの衣兜《かくし》に収め、革紐《かわひも》を附《つ》けたる竹根の鞭《むち》を執《と》りて、徐《しず》かに手....
猟奇の街」より 著者:佐左木俊郎
し、相手は多勢だ。彼女を他の部屋へ運び出すと、裸にしてそこの真っ白いベッドの上に革紐《かわひも》で固く縛りつけた。彼女はもはや、そのまま朝田の蹂躪《じゅうりん》....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
水の推定が、ついに覆されてしまった。レヴェズは発見されはしたものの、垂幕の鉄棒に革紐を吊って、縊死を遂げているのだった。閉幕――恐らく黒死館殺人事件は、このあっ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
千切れた金襴の袈裟を掛け、手に水晶の数珠を握り、足には何んにも穿いていない。躰は革紐で十文字に縛られ、銅の柱に繋がれている。紺の小具足に身を固め血紅色の陣羽織を....
安重根」より 著者:谷譲次
で汽笛が転がる。朝鮮服の安重根がちょっと室内を覗いたのち、足早やにはいって来る。革紐で縛った古行李を引きずるように提げている。すぐ李剛と向い合って行李に腰かける....
落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
と伸ばし、低い木製の枠組のようなものの上に臥ていた。その枠に馬の上腹帯に似た長い革紐でしっかりと縛りつけられているのだ。革紐は手足や胴体にぐるぐると巻きつけてあ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
って横に倒れた。御者はそれを立たせようとやたらに鞭《むち》打った。不幸な動物は、革紐《かわひも》にしめつけられて振るいたったが、痛ましくもまた下に倒れて、死んだ....
臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
が左手に携えていたのだ、そして、それは居合せた一人の事務員の鋭い観察眼によると、革紐で自分の手頸にしっかりと結びつけられてあったのだ。この事実は、その時には決し....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
開いて、まず現われたのはホーキン氏、次に引き出されたのはジョン少年で、二人ながら革紐で縛られている。 「そこの杭へ縛り附けろ!」 社殿の前の小広い空地に一本の....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
復讐女神に代って自分たちの周りをぐるぐる※っている中を、ゆったりと自分たちの鞭の革紐の先を繕っていた。側仕は馬の脇を歩いて行った。従僕はぼんやりと見える遠くの方....
新案探偵法」より 著者:小酒井不木
がしたかと思うと、次の瞬間、今迄神妙に実験の材料になって居た犬が、固定してあった革紐を引きちぎって、暗室の中から飛び出し、あっという間に男の方へ尾を振って駈け寄....
贋物」より 著者:葛西善蔵
紙も、これは折紙つきだからだいじょうぶだ」茶掛けとでもいうのらしい蕃山の一幅は、革紐つきの時代のついた立派な桐箱にはいっていた。 雅邦とか玉章とかいう名は聞い....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
子のようなものの四方に、肘を懸ける所にも、背中で倚り掛かる所にも、脚の所にも白い革紐が垂れていなくって、金属で拵えた首を持たせる物がなくって、乳色の下鋪の上に固....
ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
り分けながら)すっかり投げやりになっているわ。 アーストロフ (壜を薬箱に納め、革紐をしめる)さあ、これでやっと帰れると。 エレーナ (登場)まあワーニャさん、....
予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
なく、逞ましげな足をした、毒々しい、ほっそりした、三匹の犬が死体のそばに現れた。革紐をもつ二人の男は、ひきずられるような恰好だった。 「警部さん、」大将は叫んだ....