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革袋
「革袋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
革袋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
。その瞬間である、偶然自由を得たイワノウィッチの右の手は、自分の腰に吊した拳銃の
革袋を探っていたのである。 ちょうどダシコフが、イワノウィッチを室外に引きずり....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ない。水でも呑ませば生き返るかと、四辺を見ると誰のか知らんが、酒を入れる旅行持の
革袋が飛び散って居る、是屈強と取り上げて口を開けるとブランデー酒の匂いがあるから....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
何だろうと音のする方を見ると彼は何時持ちだしたのか、望遠鏡でも入っていそうな長い
革袋を肩から斜めに懸けていて、それをポンポンと叩いてみせたのだった。その
革袋の中....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
もらいたい。その代りに我れわれの持っている金を半分わけてあげると言って、重そうな
革袋を出して渡した。主人も欲に眼がくらんで、すぐによろしいと引受けた。が、さてそ....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
チリと鍬の刄に当たるものがある。見ると手頃の銀環である。その銀環をぐいと引くと、
革袋の口が現れた。 「これは不思議」と縁から下りて、純八も八蔵へ手を貸して、共に....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
老中を江戸屋敷に招いた。座が定ると、不昧は自分の手で笈の蓋を開き、幾重にもなった
革袋や箱包をほどいた。中から取出されたのは、胴に珠のような潤いをもった肩衝の茶入....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
し」 猿田飛行士は叫んだ。彼はすっかり隙間のないほど身固めし、腰にはピストルの
革袋を、肩から斜めに、大きな鶴嘴を、そしてズックの雑袋の中には三本の酒壜を忍ばせ....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
私は短刀と同じように、このピストルを引き渡しました。それから、火薬と弾丸の入った
革袋も渡しました。そして、 「この火薬は火花が一つ飛んでも、宮殿も何もかも吹き飛....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
た。なにか、雪の中にかぎつけたものとみえ、妙な吠え方をして、咬え出したのは小さな
革袋で、それをネルロにわたしました。丁度その近くに小さな十字架像があって、その下....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
返して云った、古き衣に新らしき補布をあてる者があろうかと、また、新らしき酒を古き
革袋に入れる者があろうかと、これらの言葉はただ譬えなのである。然し、彼が貧しい人....
「三つの悲憤」より 著者:豊島与志雄
がありました。いずれも逞しい若者で、粗末ながら乗馬用の服装をし、腰には拳銃らしい
革袋をさげ、鞍には大きな荷をつけていました。 その二人は、時々なにか語りあいな....
「入院患者」より 著者:ドイルアーサー・コナン
りもっと太っていたらしく、ちょうど猟犬のブラッド・ハウンドの頬のように、ゆるんだ
革袋のような皮が、顔の周囲に垂れ下っていた。そうして彼の顔色は一目で分かるほど、....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
た汁が出て穴にたまる。この汁は丁度|椰子の汁のような味がするそうな。これを集めて
革袋に貯えておくと、一種の発酵を起していわゆるパルクが出来上がる。一種の腐敗した....
「城」より 著者:カフカフランツ
いまどろみからフリーダを眼ざめさせてしまったようなものだ。彼女は、帯に下げている
革袋から小さな木を取り出し、それでのぞき孔をふさぎ、自分の気持が変ってしまったこ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
、自らをそれに準拠させながら、自分自身の「詩」をうたおうとしたのである。この古き
革袋を今に生かして新しい酒を盛る営みのために、彫心鏤骨は生れ出たのである。 す....