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「革足袋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

革足袋の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
正伝神道流では万夫不当だということや、利休好みの茶の十徳に同じ色の宗匠頭巾、白の革足袋に福草履、こういう穏しい風采をして、富士の裾野の三合目辺で陶器を焼きながら....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
て俥の番号を隠しいるや』と叱責され謝罪して帰りたる由。因みに、その時同人は新しき革足袋を穿き、古きメルトン製の釜形帽を冠りおりたる由……おわり……」 「それだけ....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
の秋は寒いのに腰に毛皮を纏っているばかり他には何んにも着ていない。もっとも足には革足袋を穿き手には山刀を握っていた。その子供と大熊とは素晴らしい勢いで格闘した。....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
けて謝した。其|間に男は立上って、手早く笛を懐中して了って歩き出した。雪に汚れた革足袋の爪先の痕は美しい青畳の上に点々と印されてあった。 南北朝の頃から堺は開....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
上がった。すると、腰から裾へかけて、燭台の燈火がからみついて、裾から出ている足の革足袋の、紫色を藤色に染めた。と、その武士はよろめくように歩いて、襖の前まで寄っ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
が違ったように、ここは外套やら、洋服やら、束髪やら、腰に瓢箪を提げた、絹のぱっち革足袋の老人も居て、大分の人出。その中にもお夏さんが見えますまい。 はてな、巣....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の偉丈夫である。黒い顎髯を蓄え、肩の幅、胸幅も、常人よりずっと広くて、背も高い。革足袋に草履|穿きのその足の運びが、いかにも確かに大地を踏んでいるというように見....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ろうかと思われる。 さてまた、この美少年の身分はというと、元より旅いでたちで、革足袋にわらじ穿きだし、どこといって抑えどころもないが、歴乎とした藩臣でなく、牢....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
そこへ娘が、わらじを買って来てくれた。武蔵は入念に、わらじの緒の縒を調べて、革足袋のうえに穿いた。 彼の境遇としては多すぎる茶代をおいて、編笠を一つもらい....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
い。お前らは、六方者だの伊達者だのといわれて、ややもすると、喧嘩するではないか」革足袋で、空地の土を踏んで歩きながら、彼は講義口調でいう。 「――考えてみろ、六....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
りは、肉づき豊かな五十がらみの人物で、つつましき木綿着物に、袖無羽織を着、小桜の革足袋に新しい藁草履をはき、鮫柄の小脇差を一つ横たえて、武士とも町人ともみえず、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
いた。そして、底知れぬ獰猛さを雪白の毛並みにうねらせた。だのに又太郎は、われから革足袋の片方を上げて、彼の鼻ヅラへ見せている。 犬は疑った。ちょっと、姿勢を低....