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靭
「靭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
靭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
り出されて、現在は屍蝋室の硝子盤の中に貯蔵されているのですがなかには膜が、相当強
靭なものもあるのですよ」 「なるほど」 と法水も頷いたが、 「全く腹腔内の異物....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
雑のうちに番数もだんだん進んで、夕の七ツ時(午後四時)を少し過ぎた頃に常磐津の「
靭猿」の幕が明くことになった。踊り子はむろん猿曳と女大名と奴と猿との四人である。....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
。うそかまことかこのように大それた噂が、枝に葉をつけておいおいに船乗り達の頭へ強
靭な根を下ろしはじめた矢先き、それはちょうど一月ほど前の濃霧の夜、またしても汐巻....
「東京要塞」より 著者:海野十三
も、その上に僅かのアスファルトを流しこめばいいのだ。それにも拘らず、普通以上の強
靭さを漆喰で持たせようというには、何か訳がなければならぬ。この平々坦々たる床の上....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
南原杉子と仁科六郎の恋愛を認めていたからなのだ。そして、夫婦のつながりが、案外強
靭でゆるがないものであることを、南原杉子にみせつけたかったのだ。彼女は、仁科夫婦....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
の名句には、王朝の世の節奏がおのずから現われていて、殊に作者の心から発しる一種の
靭やかな身振が、読者の胸を撫でさするために、名状すべからざる快感が生じるのである....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
の弱くなったきらいがなく(現象学派には多少この傾きがなくもない)意志の自律性を強
靭に固守する点で形式的主観的でありながら、人間行為の客観的妥当性を強調して、主観....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
伊東に流した。これが彼の第二の法難であった。 この配流は日蓮の信仰を内面的に強
靭にした。彼はあわただしい法戦の間に、昼夜唱題し得る閑暇を得たことを喜び、行住坐....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
いろいろな事件が起って来るのかもしれない。 そう考えて来ると、ジワジワとねばり
靭い昂揚が、心の中に盛り上って来た。 「僕は、決心しました。妻が穏便じゃないんで....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
自由とが縫い目縫い目に現われている。野性に圧された重たい麻衣の上に少しばかりの柔
靭さが加わったとすれば、あの不思議な縫糸と自然な運針とを仔細にあらためて見ねばな....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
て柔軟で忍耐づよかった。彼は形も心もくまやなぎのようだった。屈するかと見えても強
靭であり、曲っても決して折れず、ほんの軽い圧力でも頭を下げるが、それがなくなった....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
に内容貧弱を物語っていることで分る。このうち、強いて適者? として抜擢するならば
靭彦、古径両氏の筆技と人品であろう。またしてもしばしば余談にわたることを謝すが、....
「広告」より 著者:伊丹万作
彼は早くから文芸方面の素質を示し、いかなる場合にも真摯な研究態度と柔軟にして強
靭なる生活意欲(芸術家としての)を失わなかつたから、いつか大成するだろうと楽しみ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
う。
メフィストフェレス
まあ、お聞なさい。わたしは何千年と云う間
この
靭いお料理を噬んでいるから、知っています。
揺籃から棺桶までの道中に、
この先祖....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
べし。 二 しかして両者いずれによるべきやは、将帥及び軍隊の特性と当時の武力の強
靭性いかんによる。 ギリシャのファランクスは前者に便にして、ローマのレギヨン....