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「靴底〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

靴底の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
、街を歩くにも、丸石や鋪石の上はなるだけそっと、用心深く爪立って歩くようにして、靴底が早く磨りへらないように心がけ、また、なるべく下着も洗濯婦《せんたくや》へ出....
」より 著者:ゴーゴリニコライ
き白樺または樅《もみ》の植込となし得る地所つきといったものも見受けられ、また、古靴底の買手募集、毎晩八時より午前三時まで競売というようなのもあった。すべてこうし....
モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
あの果物屋さ」と友は答えた。「クセルクセスとか、すべてそういった役をするにはあの靴底直しでは寸が足りないという結論を、君にさせたのはね」 「果物屋だって! ――....
登山の朝」より 著者:辻村伊助
フィルンを横切ることはできなかった。 ここからもう足形はない、雪は堅く凍って、靴底の釘がガリガリ食い入るだけで、今までよりもかえって歩きやすい、しかし私たちは....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
ます。 ナポレオン帝政下の天才について。 或る薬屋が軍隊のために、ボール紙の靴底を発明し、それを革として売出して四十万リーブルの年金を得たのだそうだ。或る僧....
壊滅の序曲」より 著者:原民喜
。彼はとっとと表へ飛び出すと、清二の家の方へ急いだ。暗闇《くらやみ》のなかを固い靴底に抵抗するアスファルトがあった。正三はぴんと立ってうまく歩いている己の脚を意....
日常身辺の物理的諸問題」より 著者:寺田寅彦
、適当に泥の皮膜をかぶった人造石だとなかなかよくすべる。それがおもしろいことには靴底の皮革の部はすべらないで、かかとのゴムの部分だけがよくすべるのである。それで....
試験管」より 著者:寺田寅彦
かであるということは、結局|磨滅しやすいということと同じことになるのではないか。靴底と地面との衝撃の結果として靴底が磨滅されるおかげで、不愉快な振動が肉体に伝わ....
ベルリン大学」より 著者:寺田寅彦
った広い額が眼について離れなかった。黒板へ書いている数式が間違ったりすると学生が靴底でしゃりしゃりと床をこするので教場内に不思議な雑音が湧き上がる。すると先生は....
怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
本の釘を抜取って、これを曲げて釣針をつくって釣りをした。 はじめ、餌の代りに、靴底の革を切って釣針につけて、海に投げてやると、またたくまに、一尾の大きな魚が釣....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。そして彼女は一語一語にもったいをつけた。どの語も強調された。綴《つづ》りが鉛の靴底《くつぞこ》をつけて進んでゆき、各文句に一つの悲劇がこもっていた。クリストフ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
なかった。ことに祖父の店にいるときはそうだった。祖父は朝から晩まで口笛を吹いたり靴底をたたいたりしゃべったりして、ちょっとの間も静かにしていなかった。しかしいつ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
画すべき決定的勝利を得、ある薬種商がサンブル・エ・ムーズの軍隊のためにボール紙の靴底《くつぞこ》を発明し、それを皮として売り出して四十万リーヴルの年金を得、ある....
花束の虫」より 著者:大阪圭吉
、僕は、この犯人の靴跡の個有の型状――例えば、全体に小さい事や、外郭の幅が普通の靴底のそれよりも遥かに平坦で細長い事や、土つかずの割合が大きくそして特異である事....
不在地主」より 著者:小林多喜二
銃を肩にかけ、胸のボタンを二つ程外して、帽子の下にハンカチをかぶった兵隊が三人、靴底の金具をジャリジャリさせて、ゆるい歩調でやってきた。 「S村って、これですか....