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靼
「靼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
靼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命」より 著者:幸田露伴
りて北平に還り、景隆の軍、寒苦に悩み、奔命に疲れて、戦わずして自ら敗る。二月、韃
靼の兵|来りて燕を助く。蓋し春暖に至れば景隆の来り戦わんことを慮りて、燕王の請え....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
だ。彼はそれを言って、元来シナは富んでいたが、こんな事でいよいよ衰えた。先年|韃
靼との戦争でさらに力を失った。この上、イギリスとフランスとが一致してシナへ戦争を....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
やはりこいつはと、折竹は警戒を感じたのである。こういう顔は、よくコーカサス人や韃
靼人の混血児にある。それが、晦冥国の女王なんて神話めいたことで、俺を釣ろうなどと....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ィックなものが多い。そのほかプログラムに眼をとおすとマズルカというクラシック、韃
靼踊り、善と悪との争い、東、猶太風、気まぐれ、グロテスク、さすらい――郷土的なも....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
彼にむくいた。実際正当の権利の中には無窮なるものがあったからである。ワルソーを韃
靼《ダッタン》化せんとするのは、ヴェニスをゼルマン化せんとするよりもはなはだしい....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
卿その人であり、雲州の爺と呼ばれている武士は、出雲松江侯の傍流の隠居で、蝦夷や韃
靼や天竺や高砂や、シャムロの国へまで手を延ばして、珍器名什を蒐集することによって....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
に逃げたのかわからないが、やつは逃げてしまった。 やつは今また私を遁れたが、韃
靼やロシアの苦野のさなかを、私はやつのあとをどこまでもつけていった。ときには、こ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
ことだろう――ところで、皆が集まっているが、出向いてくれんか」
「何処へ」
「韃
靼冬《だったんとう》へ――御世継は、御世継として、何うしても、われわれ秋水党は、....
「接吻」より 著者:神西清
まけに大事にされている。……サーリマノフときたらあの通りのがさつ者で、おまけに韃
靼人のこちこちときているんだが、あの男にだって一場のロマンスがあって、まんまと恋....
「決闘」より 著者:神西清
ンクのように黒々とした水が黄色い水を濁して闘っているところ、そこの道のはずれに韃
靼人ケルバライの営む居酒屋があった。屋根の上にロシヤの国旗を立て、看板には白墨で....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
馬術については知識も腕前も大したもので有名だった。馬に乗ればそのたくみなことは韃
靼人さながらだった。競走や闘鶏にはいつでも第一位を占めた。権勢というものは田舎で....
「審判」より 著者:カフカフランツ
と考えた。しかし、毛皮の外套を着た門番、その大きな尖り鼻、長くて薄い、真っ黒な韃
靼人風の髯をよくよく見ているうち、はいる許可がもらえるまでむしろ待とうと決心した....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
、夜になると一人で、カフカズの山中を案内者もなく騎馬で行く。話に聞くと、何でも韃
靼人の村に、その夫人と、土地の某公爵との間に小説があったとのことだ、とかと。 『....
「追放されて」より 著者:神西清
『先生』と綽名のついた老人のセミョーンと、誰も名を知らない若い韃
靼人が、川岸の焚火の傍に坐っていた。残る三人の渡船夫は小屋のなかにいる。セミョー....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
かい。」 「誰だか、何だか、海坊主でも匍い上ったもんらしいぜ。これからそろそろ韃
靼海だからね。」 誰ひとり、その銀鍍金の饒舌家を知る人はなさそうに見えた。何で....