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「鞍部〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鞍部の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
みずみず》と茂った、赤松、樅《もみ》、山毛欅《ぶな》の林間を抜けて峯と峯との間の鞍部に出られた。そこはのびのびとしていて展望も利いた。 二つに分れている峯には....
単独行」より 著者:加藤文太郎
定の尾根をまっすぐに登って行き、二六〇〇メートル辺から山を巻いて赤石岳と荒川岳の鞍部へ出で大聖寺平へ下って行く。小屋は石室でちょっとわからぬが目印に小屋の右上の....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
道の茶店から十丁程上ると、関の址に来た。馬の脊の様な狭い山の上のやゝ平凹になった鞍部、八幡太郎弓かけの松、鞍かけの松、など云う老大な赤松黒松が十四五本、太平洋の....
吹雪のユンクフラウ」より 著者:野上豊一郎
を描いて最後にメンヒの南西の尾根に出ると、其処がユンクフラウヨッホ(ユンクフラウ鞍部)で、ユンクフラウの峰角を目の前に仰ぐようになってるのである。 アイガーヴ....
新西遊記」より 著者:久生十蘭
ヤートゥンを経由する公道のほかに、桃渓へ迂回する傍道と、カンチェンジュンガの西の鞍部、二万三千尺のユングリングリラ越えをして西から入る間道がある。印度からの入蔵....
皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
探しあてる。下ってまた登り、一小隆起を超えて、小高い山の右側を廻り、ちょっとした鞍部に出る。ここまではとにかく地図の点線の道とほぼ一致した処をたどって来たに相違....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
。登るに従い、小谷が幾条にも分れる。気をつけていぬと、わからぬほど浅い、が最初の鞍部に出るまでは、右へ右へと取って行けば、道を誤る事はあるまい。この鞍部の前面は....
火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
・クラウド氷河の二つである。前者は前にも述べた通り、シャスタとシャスチナの間の、鞍部に懸垂しているが、アルプスのベルニーズ・オーバアラント山地あたりの大氷河に比....
二つの松川」より 著者:細井吉造
が既にして一つの回想録であるならば、二つの松川の接触点に当たる念丈岳と奥南岳との鞍部で送った甘美なる一夜についての思い出も語らなければならない。森林の領域から解....
釜沢行」より 著者:木暮理太郎
ともあるまいと想像して、次のような計画を立てた。西沢を遡って国師奥仙丈二山の間の鞍部|三繋平に登り、荒川に沿うて御岳方面へ下ろうというのが第一案で、三繋平へ登っ....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
峰|及飯豊山の白雪を望む。午後十二時二十分頂上出発、急斜面を下り、十二時三十五分鞍部。一時高薙山への分岐点。二時湯沢山頂上、木立繁く遠望なし。これより長き下りと....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
に蹈んで、知らぬ間にグングン登って行く、もう余程登ったろう、行手左よりに近く山の鞍部らしいものが見え出した、主脈にしては少し低過ぎるように感じたので、毛勝から大....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
って、急ぎ足に遠ざかり行く後姿を暫く見送った。私達四人は荷を造り直すと、池ノ平の鞍部へは出ずに近道をして池の畔に下り、そこから右に岩径を伝いて小窓の雪渓に出で、....
八ヶ峰の断裂 」より 著者:木暮理太郎
ば二千四百八十米の等高線が、其北方に一隆起を表示せる同高の等高線と相対して成せる鞍部に当っているように思った。 (大正七、二『山岳』)....