鞠躬如[語句情報] »
鞠躬如
「鞠躬如〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鞠躬如の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
のは知っていたが、ひどい若白髪だ。これはだいぶクリスチャンらしかった。俺も相当|
鞠躬如《きっきゅうじょ》たらざるを得なかった。知合いの信者の家に空間があるかもし....
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
のフランス語の教師なのでありますから、筆者は、つねにその御識見にそむかざるよう、
鞠躬如《きっきゅうじょ》として、もっぱらお追従《ついしょう》に之《これ》努めなけ....
「草枕」より 著者:夏目漱石
て、極《きわ》めて自尊的に、極めてことさらに、極めてせせこましく、必要もないのに
鞠躬如《きくきゅうじょ》として、あぶくを飲んで結構がるものはいわゆる茶人である。....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
オールを塗布しながらいった。 「満船の時はどうも仕方がありません」と、ボースンは
鞠躬如《きっきゅうじょ》として答えた。まるで、まるで、寒くて、暗くて、きたなくて....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
早い。事のついでじゃ。一条流秘芸の重ね箭を見せてとらそうぞ。的替えい」 英膳、
鞠躬如としてつけ替えたのは一寸角の金的です。 ぐッと丹田に心気をこめて、狙い定....
「花吹雪」より 著者:太宰治
画を搬入し、三十年続けて落選し、しかもその官展に反旗をひるがえす程の意気もなく、
鞠躬如として審査の諸先生に松蕈などを贈るとかの噂も有之、その甲斐もなく三十年連続....
「惜別」より 著者:太宰治
掛けろと言えば乙は辞退して丙に掛けろと言う。丙は固辞して丁にすすめる。丁はさらに
鞠躬如として甲にお掛けなさいと言う。日本の老若男女の乗客があっけにとられて見てい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
人の羽織袴のお取持、これは多分、先方からこの客を迎えのための案内役と覚しいのが、
鞠躬如《きっきゅうじょ》として、まかり出てくると、新元服が物々しく、
「せっかく....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
またも頓首膝行の形で、三傑の御前を辞して、次の間に辷《すべ》り出て、三太夫にまで
鞠躬如《きっきゅうじょ》としてまかりさがってしまいました。 五....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
《から》元気をつけて、申しあぐべきことづけを口の中で繰り返しながら、飛石を避けて
鞠躬如《きくきゅうじょ》、ソロリソロリと御前へ進んで、ここいらと思うと、はるか彼....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
してまるで潔白な天使のようにふるまったとのことだ。高慢な妹カーチャを真から崇め、
鞠躬如《きっきゅうじょ》として小間使いのように仕えてたんだ……。それでもアガーフ....
「失策記」より 著者:豊島与志雄
じても座布団を敷こうとせず、洋服の膝もくずさず、茶にも煙草にも手を出さず、謂わば
鞠躬如として眼を伏せている。そして、「御多忙のところを……御閑静なお住居で……お....
「太宰治との一日」より 著者:豊島与志雄
。」そして大笑いだ。 さっちゃんは勇敢に注射するが、ただそれだけで、他事はもう
鞠躬如として太宰に仕えている。太宰がどんなに我儘なことを言おうと、どんな用事を言....
「魔都」より 著者:久生十蘭
てからはさすがに覆面だけは引き下げたが、その代り今度は大きな安楽椅子に沈み込み、
鞠躬如《きくきゅうじょ》と差し出す献立表《ムニュ》も電報もみな肩越しに受取ったの....
「環礁」より 著者:中島敦
下げない。私を案内してくれる役所の人がヘルメットをかぶって道を行くと、島民どもは
鞠躬如《きっきゅうじょ》として道を譲り、恭《うやうや》しく頭を下げる。夏島でも秋....