鞣革[語句情報] » 鞣革

「鞣革〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鞣革の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
事務的な口調で、「向う側にあるのは全部|吊具足(宙吊りにしたもの)だが、二番目の鞣革胴の安鎧に載っているのは、錣を見れば判るだろう。あれは、位置の高い若武者が冠....
高島異誌」より 著者:国枝史郎
ら門前に佇んで、鈴を鳴らしていた托鉢僧――頭髪白く銀のように輝き、皮膚の色も白く鞣革のように光った、老いた威厳のある托鉢僧は、其時何んと思ったか、つかつかと門の....
風に乗って来るコロポックル」より 著者:宮本百合子
て見ると、確かに! 御者は紛うかたも無い、豊坊である。 いかにも気取った風で、鞣革《なめしがわ》の鞭を右の手で大きく廻しながら横を向いて、傍の客と何か話してい....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
版の詩集一冊。それはもうきまっていますけれど。今年のは表紙が非常に軟かで、つよい鞣革《なめしがわ》で玉虫色の象嵌《ぞうがん》があります。装幀も年々に含蓄を加えま....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の様子を注意して見た人があったら、その人は戦慄《せんりつ》を覚えたであろう。その鞣革《なめしがわ》のカラーの留め金は、首の後ろになくて、左の耳の所にきていた。そ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
欄干を越してひとりの男を見ることができたであろう。その男は五十歳ばかりの老人で、鞣革《なめしがわ》の帽子をかぶり、灰色の粗末なラシャのズボンと背広とをつけ、その....
経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
例えば、皮革の価格では、自分自身の靴の皮革に対する租税のみならず、靴製造業者及び鞣革《なめしがわ》製造業者の靴に対するそれの一部分も、支払わなければならない。諸....
正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
て彼の邸へ向かったのは、慶安四年七月二十二日の丑刻を過ぎた頃であった。 染帷に鞣革の襷、伯耆安綱の大刀を帯び、天九郎勝長の槍を執って、忠弥はひとしきり防いだが....
蜜柑」より 著者:佐左木俊郎
がな。」 弥平爺は、しばらくの沈黙の後、腹掛けの丼を探りながら言った。そして、鞣革の大きな財布を取り出した。 「婆様、さあ、これで何が味っぽいものでも――爺の....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
、穀物の価格と土地の地代とには多く依存するものではない。そして、亜麻、脂肪、及び鞣革の価格は云うまでもなく輸入量によって大きな影響を受ける。しかし、右に挙げた財....
百喩経」より 著者:岡本かの子
グの突立った肩が黄いろい金鎖草の花房に臆じた挨拶をしながら庭の門を入る。東洋風の鞣革の皮膚、鞣革の手の皮膚。その手がそこで急いで本ものの鞣皮の外套を脱ぐ。 苦....
小説 円朝」より 著者:正岡容
あまる名馬に打ち跨り……」 カチカチカチカチン。 一段と声張り上げて、 「黒鞣革《くろなめしがわ》の手綱を山形に通して後方に廻して鎧の上帯に結びつけ、しずし....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ことだろう。 この人屋めいた中になんと云う祝福のあることだろう。 (寝台の傍の鞣革の椅子に身を倚す。) この椅子はあれがまだ生れぬ世を、喜につけ悲につけ、 ....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
た。とりわけ「金唐革」と呼ぶものが有名で、金泥や色漆を用い模様を高く浮き出させた鞣革であります。草花や小鳥や獣などを美しくあしらいました。よく文箱や袋物などに見....