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「鞭打ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鞭打ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
走れメロス」より 著者:太宰治
まは、自分のからだで、自分のものでは無い。ままならぬ事である。メロスは、わが身に鞭打ち、ついに出発を決意した。あすの日没までには、まだ十分の時が在る。ちょっと一....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
しかし悪は悪としてどこまでも斥けたい。それをみずからに許したくない。自分を責め、鞭打ちたい。しこうしてその悪の根を抜き取る道を工夫したい。この世でできなければ、....
風流仏」より 著者:幸田露伴
″\命は森林を縫う稲妻のいと続き難き者と観ずるに付ても志願を遂ぐる道遠しと意馬に鞭打ち励ましつ、漸く東海道の名刹古社に神像木仏|梁欄間の彫りまで見巡りて鎌倉東京....
五ヵ年計画とソヴェトの芸術」より 著者:宮本百合子
作物をとられた。今じゃ政府だ。その間に何の違いがあるかね? 昔あ年貢が不足すりゃ鞭打ちですんだ。コンムニストは鞭の代りに書付を出しくさる! そして監獄だ! フー....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
ことはあるけれど、此処に持ち出さずともいい豚の女のことまで云い出して、自ら自分を鞭打ちたかったのである。彼はなお云い続けた。 「それは片山さんだって、好意が……....
夢と人生」より 著者:原民喜
書庫のことは書いておきたい。この学校の夜間部の教師の口にありついた僕は餓じい体を鞭打ちながら、いつも小さな箱のなかから、ここへ出掛けて来る。ここでは焼け失せた空....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
照らされたる母性愛である。そこに人間の尊貴さがある。愛のために孟子の母はわが子を鞭打ち、源信の母はわが子を出家せしめた。乃木夫人は戦場に、マリアは十字架へとわが....
稚子法師」より 著者:国枝史郎
高島諏訪因幡守の許へ、使者に立った萩原主水は、首尾よく主命も果たしたので、白馬に鞭打ち従者を連れ、木曽路を洗馬まで走らせて来た。 塩尻辺で日を暮らす、此処洗馬....
かもじの美術家」より 著者:神西清
たその旅籠屋の亭主には、やがて一年ほどしてから、お仕置き役人がイリインカの広場で鞭打ちの刑を執行しました。その男はアルカージイ・イリイーチを殺めた報いで四十三の....
山吹」より 著者:泉鏡花
つ四つ。と続けさまに五つ六つ。) 人形使 堪えねえ、ちっとも堪えねえ。 夫人 (鞭打ちつつ)これでは――これでは―― 人形使 駄目だねえ。(寝ながら捻向く)これ....
旅の旅の旅」より 著者:正岡子規
何里ありやと尋ぬれば軽井沢とてなお、三、四里はありぬべしという。疲れたる膝栗毛に鞭打ちてひた急ぎにいそぐに烏羽玉《うばたま》の闇は一寸さきの馬糞も見えず。足引き....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
と、怒りと、仰望とを与え、ともすれば挫けようとする気力を、正統を信ずる心によって鞭打ちつづけた厳しくもわびしい感触をあたえているのである。それは『玉葉』『風雅』....
三国志」より 著者:吉川英治
五百余騎の敵が、さっと駈けだしてきた。 「あっ?」 仰天した曹仁は、疲れた馬に鞭打ち、山にかくれ、河を泳ぎ、赤裸同様な姿で都へ逃げ上ったという。その醜態を時人....
三国志」より 著者:吉川英治
たる剣を取りはずし、手ずから二将に授けて、早く行けと急きたてた。 夜も日も馬に鞭打ちつづけた。さる程にようやく柴桑の地へ近づいて来る。玄徳はややほっとしたが、....
三国志」より 著者:吉川英治
浅慮にもふたたび彼の計にかかった。それっ、還れ還れっ」 仲達は度を失って、馬に鞭打ち、にわかに後ろを見せて逃げ出した。 「司馬懿、何とて逃げるか。反賊仲達、そ....