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韆
「韆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
韆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
って、小枝の尖へひょいと乗る。 水上さんがこれを聞いて、莞爾して勧めた。 「鞦
韆を拵えてお遣んなさい。」 邸の庭が広いから、直ぐにここへ気がついた。私たちは....
「断橋奇聞」より 著者:田中貢太郎
て、その端を牆の外へ投げてくださるなら、あの方がすがってあがりますよ」 「では鞦
韆の索を投げましょうか、あすこに大きな樹があるから、それを結えましょうか、牆から....
「西湖主」より 著者:田中貢太郎
間の世にある庭ではなかった。 陳はその庭を通って小さな亭の傍へ往った。そこに鞦
韆の架があったが、それは雲と同じ高さのもので、その索はひっそりと垂れていた。陳は....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
通って、駄菓子屋の角を左に、それから少し行くと、向こうに大きな二階造りの建物と鞦
韆や木馬のある運動場が見えた。生徒の騒ぐ音がガヤガヤと聞こえた。 校長の肥った....
「縮図」より 著者:徳田秋声
三十四五の中番頭から二十四五の店員十数人と入り乱れ、鬼ごっこや繩飛び、遊動木に鞦
韆など他愛なく遊んでいるうちに、銀子がさっきから仲間をはずれ、木蔭のロハ台に、真....
「伸子」より 著者:宮本百合子
とはよくない」 和一郎は、淡白な調子で、はっきり答えた。 「――先《せん》、鞦
韆《ぶらんこ》しに来ていたんでしょう? 僕、何だかよくない性質がありそうな気がし....
「夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
、尚一層|熾烈になって行くのだった。 あのグーン、グーンと全体に響く、快よい鞦
韆の鼓動! あっ、と思った瞬間、虚空を飛翔する虚無の陶酔感! そして、フト眼....
「旅愁」より 著者:横光利一
ってたれ下っている水際に桜の弁が溜っていて、右方の繁みの隙から、裾に風を孕んだ鞦
韆の高く跳ね上って来る脚が白く見えた。
「式の日はあなたの方で決めて下さる。」
....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
み》た尾長猴はいかにこんがらがった鎖をも手迅《てばや》く解き戻し、あるいは旨く鞦
韆《ぶらんこ》を御して遠い物を手に取り、また己れを愛撫するに乗じてその持ち物を掏....
「根岸庵を訪う記」より 著者:寺田寅彦
と見えて門が締まっているようであったから博物館の方へそれて杉林の中へ這入った。鞦
韆に四、五人子供が集まって騒いでいる。ふり返って見ると動物園の門に田舎者らしい老....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ラ・レーニエールは油でいためたロースト・ビーフを考えついた。プラウツスの書いた鞦
韆《ぶらんこ》はエトアール凱旋門《がいせんもん》の気球の下に現われている。アプレ....
「土から手が」より 著者:牧逸馬
been identitied.” 額部に古い、微かな傷のあるのは、幼い時|鞦
韆《ブランコ》から落ちた痕だと言う。頸にも、少女の頃に鳥渡した腫物を切ったあとが....
「妾宅」より 著者:永井荷風
ろう。自動車にも乗ろう。園遊会にも行こう。浪花節《なにわぶし》も聞こう。女優の鞦
韆《ぶらんこ》も下からのぞこう。沙翁劇《さおうげき》も見よう。洋楽入りの長唄《な....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ろう。
こわい、気味の悪い音のしようだろう。
ぐらついたり、ぶるぶるしたり、
鞦
韆のように往ったり戻ったりすること。
我慢の出来ない程、厭だこと。
だけれど、地....
「童話」より 著者:室生犀星
を見定めると、石の段々をあがった。道路から二段目のほかほかした日あたりに、足を鞦
韆のように下げている弟のそばへ行き、そして肩の上に手を置いた。 「沢山捕れたの。....