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音便
「音便〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
音便の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国語音韻の変遷」より 著者:橋本進吉
」「うべ(宜)」などの「う」もこれと同様の音になった。 (六) 平安朝において、
音便といわれる音変化が起った。これは主としてイ段ウ段に属する種々の音がイ・ウ・ン....
「古代国語の音韻に就いて」より 著者:橋本進吉
ししこ」と書いてあるのは「死にし子」で、「し」は過去を表わす助動詞、「死にし」が
音便で「しんじ」となったものと思われます。ところがこういう場合に、仮名で書き表わ....
「門」より 著者:夏目漱石
も離れているうちは、まあどうかしているだろうぐらいに思って放っておきます。時たま
音便《たより》があったって、蒙古《もうこ》という所は、水に乏しい所で、暑い時には....
「言葉の不思議」より 著者:寺田寅彦
ai(寒い)にも似ている。フィンランド語の kuura(霜)は日本の「こほり」の
音便読みに近い。英語の cold は冷肉(コールミート)のコールである。氷るに近....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
かに振ってみると弾力があって、ビルビルビロビロとするから、そのビルあるいはビロが
音便によってついにミルになったのではなかろうかと想像するが、どんなもんだろうか。....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
の香水棚へカアテンを張りに行ったジェルメエヌ後家からは、もう十日にもなるが一向に
音便《おとさた》なく、小手《こて》をかざして巴里の方角を眺めやれば、うす薔薇色の....
「迷信解」より 著者:井上円了
のことじゃが、この二者もとより人丸その人になんらの関係なきは明らかであるも、ただ
音便上、人丸は火止まる、および人生まるに通ずるによるということを聞いておる。従来....
「国栖の名義」より 著者:喜田貞吉
の古書にも、皆「国」の字を作るを思ふに、上代には「久爾須」といひけんを、やゝ後に
音便にて、「久受」とはなれるなるべし。されど正しく久爾須といへること物に見江ねば....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
部王の御名に注して、 間人は波志毘登と訓むべし。(ハシウドと刻むは後のくづれたる
音便なり。)「間」は借字にて、(物の間を波志と云ふこと例多し)土師人のよしなり。....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
が、あれは「アー評判え/\」というのが、「豆腐ーイ」が「えーうーい」になるような
音便の変化によるものであるが、私共は銀座の家の二階でよくこの見世物ごっこをして、....
「それから」より 著者:夏目漱石
行く筈の所を断わって、大いに嫂に気を揉《も》ました位である。 平岡からは断えず
音便《たより》があった。安着の端書、向うで世帯《しょたい》を持った報知、それが済....