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「音信不通〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

音信不通の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
も涙があった。六三郎はふだんから正直の聞えのある者、殊に父子とはいいながら十年も音信不通で、父の罪咎《つみとが》に就いてなんの係り合いもないことは判り切っている....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の家へ見えまして……。それはこの間の御殿風の女でございます。仔細あって娘を当分は音信不通の約束でこちらへ貰いたいと、こう云うんです。勿論、その代りに二百両の金を....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
自分の生みの子が当主となったので、猶更それを世間に知られることを憚って、表向きは音信不通にすごしていたが、さすがは叔母甥の人情で、時々にそっと紋作をよび寄せて、....
食魔」より 著者:岡本かの子
に加えて育てたのであったが、以後檜垣の主人は家を飛出し、外国までも浮浪い歩るいて音信不通であったこの甥に対し、何の愛憎も消え失せているといった。しかし、このまま....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
て屋敷から出してしまうことにしました。表面は里子に出すということにして、その実は音信不通の約束で、出入りの植木屋の万吉というものに遣ったのですが、その万吉も女房....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
兄たちにひどい目に逢わされるのを畏れて、どこへか姿をくらました。 彼はそれぎり音信不通であるので、母はしきりに案じていたが、占い者などに見てもらっても、いつも....
大脳手術」より 著者:海野十三
その理由は、見当がつかなかった。しかし珠子があれ以来私に対し行方をくらまし、音信不通の状態をとっていることから考えて、たとえ相手が瀬尾教授であろうと、それと....
怪塔王」より 著者:海野十三
ると思います。白骨島をすぐにも攻略したいのは山々でございますし、あの島に上陸後、音信不通となった小浜兵曹長のことも気にかかりますが、しかし御国に仇をする怪塔王を....
縁結び」より 著者:泉鏡花
謙造は太息ついて、 「ああ、そうですか、じゃあ里に遣られなすったお娘なんですね。音信不通という風説だったが、そうですか。――いや、」 と言を改めて、 「二十年....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
たくしももう諦めてしまって、どうとも勝手にしろと打っちゃって置くと、五年あまりも音信不通で、どこにどうしているかよく判りませんでした。 それが今年の六月の末に....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
・ダンスのうまい青年がいたが、この人は研究所解散後もよく遊びにきた。その後ずつと音信不通になつているらしいが、今でも伊藤と会うとときどきこの人のうわさが出る。何....
」より 著者:岡本綺堂
、半分は乞食同様のありさまで、江戸の身寄りをたずねて下る途中であるが、長いあいだ音信不通であったので、その身寄りも今はどこに住んでいるか、よくは判らないというの....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
伯母御様お待ち兼ねでござりまする」と、十太夫は玄関に出て主人にいった。 久しく音信不通の伯母が今夜どうして突然にたずねて来たのかと怪しみながら、播磨は濡れた笠....
面会」より 著者:織田作之助
その手紙を見て、はじめて私はSが応召していることを知ったのである。Sと私は五年間音信不通で、Sがどこにどうしているやら消息すらわからなかったのである。つまりその....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
も可い了簡かも知れません……従妹め、怒ったの怒らないの、それぎり出て来ない。……音信不通同様で――去年急病で亡くなりました。がその節は、私は大阪へ行っていました....