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音像
「音像〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
音像の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
しば》聖母《せいぼ》麻利耶の代りに礼拝《らいはい》した、多くは白磁《はくじ》の観
音像である。が、今田代君が見せてくれたのは、その麻利耶観音の中でも、博物館の陳列....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
えられて、すでに繩目の恥を受けていたのです。その目の前には、また不思議な一個の観
音像がおかれてあるのです。強いて名づけたら、いばら観音とでも言うか、頭にはいばら....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
片で赤煉瓦に彫刻した聖母像――(天主教を信ずる小学校長製作)
――鼻糞で固めた観
音像、硝子箱入り――(曹洞宗布教師作)
私は、あんまりミジメな、痛々しいもの....
「旅愁」より 著者:横光利一
さらに云い加えるのだった。
「マリヤ観音というのが当時の九州にありますが、あの観
音像は幕府の眼を昏ますためのマリヤ像か、それとも、マリヤ像を仏教の一種の観
音像と....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
いでに、橋向うの質屋へ行って、私がたしか一両であずけて置いた二寸ばかりの小さな観
音像を受け出して下さいませんか。他の品は、みな流してもいいのです。あの観
音像だけ....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
笹むらのなかに何かしおらしい姿で、ちらちらと木洩れ日に光って見えている。いずれ観
音像かなにかだろうし、しおらしいなどとはもってのほかだが、――いかにもお粗末なも....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
楽を愛する方でなきゃ……」 私は兄の部屋をあらためてみまわしました。中宮寺の観
音像やモツァルトの肖像の額がかけてあります。その下には、外国の絵の本やカタログや....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
のような聖徳太子御在世中の造像にかかるものや、同金銅|釈迦三尊像や、所謂|百済観
音像や、夢殿の救世観世音菩薩像、中宮寺の如意輪観音と称する半跏像の如き一聯の神品....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の彼は、その晩年期なので、小説宮本武蔵のうえでは、武蔵野屏風を描いたこととか、観
音像の彫刻をした程度の、初期の文化的知性の芽ばえしか出ていない。 またかれの恋....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
提を生じないではいられなかった。
手脚の傷の癒える日を待つつれづれに、ふと、観
音像を彫りかけてみたのは、源次郎少年の供養のためというよりは、彼自身が自身のたま....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
まれて、わっと声と涙が堰を切ったのは、後からだった。 「…………」 須弥壇の観
音像は、二つだが全く一つとなっている夫婦というもののこんな場合のすがたを、微笑の....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
の胡粉などが、ほのかに見えるだけである。 その代りに、重盛の燈籠とか、景清の観
音像とか、太刀とか、檜扇とか、緋おどし、卯の花のよろいとか、それらの物が、一堂の....
「増長天王」より 著者:吉川英治
のは、今も久米一の邸の側の日向りに、まだ火も釉薬もかけぬ素泥の皿、向付、香炉、観
音像などが生干しになって乾し並べてあるそれだ。 しかし、これとて、その釉薬、築....
「由布院行」より 著者:中谷宇吉郎
家になってしまったのである。昨年祖母が亡くなって、その供養のためといって作った観
音像などは一|尺《しゃく》八|寸《すん》ばかりもあって、余り面白い出来なのでちょ....
「紅梅の客」より 著者:吉川英治
ほどだが、鏡台、長火鉢、赤い座ぶとんなどの艶めき匂う自分の部屋のすみに、小さい観
音像をおいて、朝夕おがんでいたという。大きく結い上げた立兵庫の黒髪に金糸を垂らし....