音沙汰[語句情報] » 音沙汰

「音沙汰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

音沙汰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
っていたのですが、どうした訣《わけ》か去年の暮に叔母の病気を見舞いに行ったぎり、音沙汰もなくなってしまったのです。驚いたは新蔵ばかりでなく、このお敏に目をかけて....
鯉魚」より 著者:岡本かの子
それからだんだん国元の様子が父に不利になって来て、近頃《ちかごろ》ではまるっきり音沙汰《おとさた》もありません。噂《うわさ》には一族|郎党《ろうとう》、ほとんど....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
を発射した位置も分らなかった。そして今にも入るかと思った第二報はいつまで経っても音沙汰がなかった。 このような失望と困憊のあとに、突然として待望久しき第二報が....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
幕府にむかって厳重の掛け合いを持ち込んでくるに相違ない。それが今に至るまでなんの音沙汰もないのをみれば、その首の持ち主が江戸在住のものでないことは容易に想像され....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
た。僕は何だか興ざめた気がした。それから、一週間、二週間を経ても、友人からは何の音沙汰もなかった。しかし、僕は、どんな難局に立っても、この女を女優に仕立てあげよ....
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
一 わたし達の勤めている臨海試験所のちょうど真向いに見える汐巻灯台の灯が、なんの音沙汰もなく突然吹き消すように消えてしまったのは、空気のドンヨリとねばった、北太....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は付きましたよ。片方の高島という武士はそれぎり屋敷へ帰らなかったそうです。お吉も音沙汰がありませんでした。二人は道行を極めて、なんでも神奈川辺に隠れているとかい....
少年探偵長」より 著者:海野十三
つづいた。いずれ落着いたら、便りをよこすといっていた戸倉老人からもどうしたものか音沙汰がなかった。 ところがある日、春木少年が学校へいくと、牛丸平太郎がまじめ....
怪塔王」より 著者:海野十三
う命じたのでありました。 その爆弾が、下にぐんぐんおちていったきりで、そのまま音沙汰なしになってしまったものですから、爆撃員はすっかり面くらってしまいました。....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
り、峰を伝って尋ねよう、と夏休みに東京を出ました。――それっきり、行方が知れず、音沙汰なし。親兄弟もある人物、出来る限り、手を尽くして捜したが、皆目|跡形が分ら....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
から我に返った、咄嗟には、内の細君で……返事をしたが、かくの通り、続いてちっとも音沙汰のないのを思え。対手は何でも、小松原自分の目には、皆胸にある、その人の俤に....
獄中消息」より 著者:大杉栄
だから、すぐ赤い着物を着ることと思って、毎日のように待っていたけれど、まだ何とも音沙汰がない。堺も山川も同じことだ。あるいは予審の決定を待っているのじゃないかと....
端午節」より 著者:井上紅梅
がどのくらいあったか。おそらく一冊書いて三百文くらいのものだ。印税は半年経っても音沙汰がない。『遠くの水では近処の火事が救えない』、とても面倒だよ」 「そんなら....
蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
だろうと思われました。母はけさも会津屋へ出かけて行きましたが、叔父もお定もやはり音沙汰なしだというのでございます。 母と入れかわって、わたくしも見舞ながら会津....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
閣へ駈けあがって行ったが、それぎりで一人も戻って来なかった。半※経っても、なんの音沙汰もなかった。不安に思って、他の家来共もつづいて登ったが、それもまた一人も帰....