音無しの構え[語句情報] » 音無しの構え

「音無しの構え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

音無しの構えの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
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大菩薩峠」より 著者:中里介山
れは机竜之助が剣客中の最も不思議なる注意人物であったからで、この中にも竜之助の「音無しの構え」に会うて、どうにもこうにも兜《かぶと》を脱いだ先生が少なくないので....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
手の中段に持ち直して、ジリジリとそれを突きつけて来る呼吸は、絶えて久しく見ない「音無しの構え」です。兎を打つにも全力を用うるという獅子の気位か知らん。この身に寸....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
太郎左衛門配下というたが……妙な剣術ぶりであった」 あの時の試合、例の竜之助が音無しの構えの不思議であったことを兵馬は思い返して、 「先の勝ちで籠手《こて》を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れは気合もなく恫喝《どうかつ》もなく、縦一文字に引いた一流の太刀筋、久しぶりで「音無しの構え」を見た。無名の師《いくさ》、尋常の果し合いはなかなか骨が折れる、ま....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
流儀と見受け申した」 「いかにも左様でござります、あれは関東の剣客が、名づけて『音無しの構え』と申し、かの竜之助が一流の遣い方でござりまする」 「そうでありまし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
という心からでした。 兵馬の知ろうとして、まだ知ることのできないのは机竜之助が音無しの構え。それにも拘《かかわ》らずここでは思わざる拾い物をした。 兵馬は槍....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
った竜之助は、いま後ろへ流れた男の投げ飛ばした木剣を拾い取ると、それを久しぶりで音無しの構え。 社の玉垣《たまがき》を後ろに取って、天蓋は取らず。 五社明神....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いほどに昔の面影《おもかげ》を伝えていました。その面の色はいつ見ても沈んでいる。音無しの構えに取った時に見る、真珠を水の底に沈めたような眼の光こそ今は見ることが....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が病気にかかって、起《お》き臥《ふ》しが自由にならなかったもので、あの人の剣法が音無しの構えと言われるようになったのは、それから後のことだと聞きました」 「なる....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
八が、剣術の道場の前に立って考えたのは、ひとしきり、この道場から、甲源一刀流の、音無しの構えなるものが起って、幾多の剣士を戦慄《せんりつ》させたという思い出でも....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が出来ていますよ」 と関守が言う。 お世辞ではない。 まさか、尺八を吹くのに音無しの構えというのがあろうとも思われないが、吹かんとして構えた姿勢は物になって....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
机竜之助が――」 「あんまり不思議だから、話しかけてみたが、いっこう返答がない、音無しの構えだ」 「そうですか、それは珍しい人物に逢ったものですな、あの先生、島....