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音物
「音物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
音物の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
、通行勝手、半分なりとも御門が開いておりましたならば、御挨拶のしるしといたして御
音物を島台に一荷、もしも御殿様が御門の前にでもお出ましでござりましたら、馬に一駄....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、旗本、公卿《くげ》、町人――総がかりで隠居隠居と、わしを持てはやし、さまざまな
音物《いんもつ》が、一日として新しく、わしの庫《くら》を充たさぬということもない....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
の斎藤のもとにやった。富松庄の代官が土産を持って来ると、すぐにその一部を土岐への
音物《いんもつ》にした。斎藤にも柳樽《やなぎだる》に瓦器盛りの肴を添えて送ること....
「河童小僧」より 著者:岡本綺堂
かりに渦巻いて流れ落つる水が、この頃の五月雨に水嵩増して、ドンドンドウドウと鳴る
音物すごく、況して大雨の夜であるから、水の音と雨の音の外には物の音も聞えず、往来....
「ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格」より 著者:坂口安吾
、意気の盛んな儀容を示さなければ、信用もしなければ、尊敬もしてくれない。そして、
音物をやらなければ、贈り物をしなければうまくゆかない。このようなことを悟ったので....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
頃三人の男女の者が、主屋から廻廊の方へ歩いていた。 「伊豆殿、私はこう思うので、
音物は政治の活力だとな」こう云ったのは六十年輩の、長身、痩躯、童顔をした、威厳も....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
。毎日の天候気温、出入客来、他出等、尋常日記に載すべき事項のほかに、祭事、仏事、
音物、到来品、買物、近親交友間の消息、来客の用談世間咄、出入商人職人等の近事、奉....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
で書き上げてしまったのだった。が、結果は何よりあのお露お米がカランコロンの下駄の
音物凄き怪談噺が、およそ江戸中の評判になってしまって、若き圓朝の名は圧倒的に盛り....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
の作家には真似られぬ圓朝の冴えが見られるとおもう。ところで牡丹燈籠提げて駒下駄の
音物凄きお露お米の怪異は、その晩のうちにおこなわれるのである。二人の姿をみつけた....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
も人のかげは見えなかった。いよいよ留守と決まったので、小坂部は中間に持たせて来た
音物を縁の端に置き列べさせて、自分はそっと内へあがった。かれは小机の上にある筆を....
「三国志」より 著者:吉川英治
悟のほどを示した。 数日の後。 王允は、秘蔵の黄金冠を、七宝をもって飾らせ、
音物として、使者に持たせ、呂布の私邸へ贈り届けた。 呂布は、驚喜した。 「あの....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
。 道誉もまた、いつかその中の一人とはなっている。来れば人の及びもつかぬ珍かな
音物を携え、召使にも愛想をこぼし、わけて登子を笑わすことに妙をえていた。で、大蔵....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、 「なんの、父|重明が伺うべきでございますが」 と、そこへ広蓋に載せた種々な
音物に、一|嚢の砂金まで贈っていた。幕府内の有力な者が地方へ出れば、ところの地頭....
「美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
の夕。青竹の籠に鱚と野菜をあしらった物を、台所へ送り届けた町人がある。一見、軽い
音物のようだったが、その中の青|柚子一箇に刺してあった小刀を抜いてみたら、当時千....