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音痴
「音痴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
音痴の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「グッド・バイ」より 著者:太宰治
キザになる。眼を細めて、遠くのラジオに耳を傾ける。 「あなたにも音楽がわかるの?
音痴みたいな顔をしているけど。」 「ばか、僕の音楽通を知らんな、君は。名曲ならば....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
ャッとリズムが出てくるのです。身も心も浮々《うきうき》していて、普段《ふだん》は
音痴《おんち》のぼくでも、ひどく音楽的になれたのでしょう。そのリズムに乗ってしま....
「春の枯葉」より 著者:太宰治
(いよいよ口をゆがめて苦笑し)よして下さい、ばかばかしい。僕んところは親の代から
音痴なんです。(語調をかえて)何か御用? 奥田先生なら、ついさっき帰ったようです....
「野狐」より 著者:田中英光
前、やかましいダンスを覚えた私には、それがまるで気ぬけしたみたい。しかし、結局、
音痴でダンス嫌いの私には、このほうが気楽でよい。 一曲、踊って席に戻ると、桂子....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
も、見逃してはならぬ。 創造的芸術や芸術家の崇拝という、ドイツの小市民の芸術的
音痴ぶりを利用して、これこそアーリヤ的であり、これこそナチでなければ果すことの出....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
はいわざるにしかず、 「ではなしで行きましよう」 結局日本の映画監督はますます
音痴ということになるのである。 映画音楽家の場合、最も必要な才能は必ずしも作曲....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
奴では……。いや、全くいい道連れでしたよ。しかし、思えば不思議ですね。元来、僕は
音痴で、小学校からずっと唱歌は四点で、今でも満足に歌える歌は一つもありません。そ....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
界の唄にしても、唄っている心緒は真面目な嘆きである。声もよくなく、その上節廻しに
音痴のところがある。それを自分で充分承知していながら、自分に対する一種の嘲笑いを....
「五十年をかえりみて」より 著者:宮城道雄
ねると、この子は、声が糸にのるから大丈夫と言われたが、もっとも声がのらなかったら
音痴である。それから、十歳から十一歳の頃に、眼が全く見えなくなってから、箏の音色....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
のだが、もっぱら郊外の一日亭に沈酔して、二人で“木挽ぶし”ばかりを稽古していた。
音痴のぼくは落第、別府へ戻って、原稿に追われ出したのが、この家だった。いま奥に坐....