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音譜
「音譜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
音譜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
人間の顔がうつった。彼は博士の方を向いて口を開いた。「ミルキ国の法令できめられた
音譜は、完全に破壊されました。それに代って、人間讃美の音楽浴が始められました」 ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。二時間ばかりも過ぎた。茶菓が運ばれた。やがて誰やらクド/\言う様子であったが、
音譜の中には聞き覚えのない肉声が高々と響き出した。
余は窃と廊下伝いに書院に往....
「物売りの声」より 著者:寺田寅彦
ではなさそうである。それはいずれにしても、今のうちにこれらの滅び行く物売りの声を
音譜にとるなり蓄音機のレコードにとるなりなんらかの方法で記録し保存しておいて百年....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
一見しただけで、他を試みる必要のないほど料理人の腕はわかる。で、色電灯と散乱する
音譜とウンテルベルゲル氏の職業用微笑にいくらかの大洋を献じたのち、私達は空腹と連....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
波蘭土の画家・ぶらじるの画家・タヒチの画家・日本の画家が宵から朝まで腰を据えて、
音譜と各国語と酒たばこの香と芸術的空気を呑吐して、芸術的興奮で自作の恋の詩を――....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
、その呼吸に「カナリヤの労働」――きな臭い煙草――の名の香が絡み、散乱する長調の
音譜と、澎湃たるこの雑色の動揺と、灼輝する通行人の顔と動物的な興奮。それらの陰影....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
させながら礼装の肩を較べた。私には固い洋襟が寒かった。 カフェ・ドュ・パリから
音譜が走り出て来た。白絹を首へ巻いた紳士が、その白絹を外してシルクハットと一しょ....
「幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
して二十人目のことをきいたのだろうと思うわ。アルベニスを弾くって云ったわね。あの
音譜、青白き大佐とかいにゆき、彼があの
音譜の一頁目に、青白き大佐と共に(Avec....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
ベスにも、苦になることがありました。それは、音楽好きなのに、よいピアノもないし、
音譜もないことで、音楽の勉強が思うようにできないので、涙をながすことがときどきあ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
とした。 「ああ、お祖父《じい》さん!……」 老人は顔を輝かしながら、彼にその
音譜を説明してやった。 「それは詠唱曲《アリア》だ。火曜日にお前が床の上に転《こ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
おりがあるであるう。 そのあくる日、かれは小さく木を切って文字を作ったと同様に
音譜をこしらえた。
音譜はABCより入りくんでいた。今度は習うのにもいっそう骨....
「劇の好きな子供たちへ」より 著者:岸田国士
つぎへとくりひろげられる場面は、セリフとセリフ、動きと動きのつながりでできている
音譜の演奏だと思わなければいけない。 稽古をつめばつむほど、演出家の目が行きと....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
牝獅子隠しの段で、獅子がササラッ子のマン中へ隠れ、牡獅子が探しまわるときに、
音譜は 「ヒ、ヒヤ、ドコニイタイタ。 ヒヒヤ、ドコニウ、ヒヤヒヤ」 と綴られ....
「みやこ鳥」より 著者:佐藤垢石
人もいま地下に感慨無量であろう。 六 ケースの中から、長唄『都鳥』の
音譜を取り出して、蓄音機にかけた。松永和風が、美音を張りあげて『たよりくる船の中....
「小知恵にとらわれた現代の法律学」より 著者:末弘厳太郎
ろいろの事情なども知っているのです。その本舞台でいよいよ本式に作曲家から渡された
音譜を歌わなければならないのです。どうして譜だけを頼りにしてただそのとおりに歌い....