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「韻事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

韻事の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ざくなるものが尋常普通の品ではないので、仙骨《せんこつ》を帯びだしたご老体は風流韻事の感懐を託したみそひと文字、血のけの多いあで人たちはいわずと知れた恋歌。お時....
草枕」より 著者:夏目漱石
、舌の先へ一しずくずつ落して味《あじわ》って見るのは閑人適意《かんじんてきい》の韻事《いんじ》である。普通の人は茶を飲むものと心得ているが、あれは間違だ。舌頭《....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》あり、毛氈《もうせん》あり、文台がある。山陽、東坡のやからすら企て及ばざる風流韻事の果報なり、と心を躍《おど》らせずにはおられません。 「時に、玉蕉先生、一つ....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
の席であって、必ずしも階級をやかましく言わず、公卿も武人も地下も、共に膝を交えて韻事を楽しんでいるように見えるけれど、その実はなかなかそんなに平民主義の徹底した....
雪の宿り」より 著者:神西清
お歳こそ七十ぢかいとは申せまだまだお壮んな頃で、かねがね五山の学衆の、或いは風流韻事にながれ或いは俗事|政柄にはしって、学道をおろそかにする風のあるのを痛くお嘆....
円朝花火」より 著者:正岡容
、今夜川田小一郎、渋沢栄一などときの紳商に圓朝をまじえた人たちが、夜を徹して風流韻事を語り明かそうという。いつか、日本の芸界で市川團十郎、尾上菊五郎、常磐津林中....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
はむしろ詩を品し画を評し道徳を説き政治を談じ、大は世界の形勢より小は折花|攀柳の韻事まで高談放論珍説|贅議を闘わすに日も足らずであった。 二葉亭はこの中に投じ....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
れのかわりに肉身がしみ出させた真珠の玉ともいうべきものであった。はじめから風流の韻事である。花鳥の雅遊である。感性の愉しさに手ばなしで媚びるのである。俊成の感性....
無月物語」より 著者:久生十蘭
るとみていい。 凡下《ぼんげ》や一般の庶民は別として、公家堂上家の生活は風流|韻事《いんじ》に耽けるか、仏教の信仰にうちこむか、いずれにしてもスタイルが万事を....