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「韻律〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

韻律の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:菊池寛
女は天の一方を見詰めながら叫んでいる。そのうちに、俊寛は、その叫び声の中に、ある韻律があるのに気がつく。 そして、この少女が歌をうたっているのだということが分....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
萎れ、毒気に染みぬる――とは、けっして」と次句で答えたが、異様な抑揚で、ほとんど韻律を失っていた。のみならず、何故か周章いて復誦したが、かえってそれが、真斎を蒼....
落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
でもの思いにふける人でもない。いままではなんの注意もひいたことのないような音楽の韻律の意味を考えて頭が乱される人でもない。 思い出そうとする考え深いいくたびも....
極楽」より 著者:菊池寛
るに従って、最愛の孫女の泣き声も、少しの実感も引き起さないで、霊を永い眠にさそう韻律的な子守歌か何かのようにしか聞えなくなってしまって居た。枕許の雑音が、だん/....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
ない。陸軍の方の『独立家屋』なんていう変な飜訳や、死にかかった病人の脈搏みたいな韻律《リズム》の詩や、不健全な読書や、芝居や球突や、それから、多くは猫の生活、そ....
「草野心平詩集」解説」より 著者:豊島与志雄
って名誉なことだ。 知性と感性との渾然たる融合、鮮明なるイメージ、豊潤奔放なる韻律など、心平さんの詩の特長は、そうやたらに存在し得るものではない。 それから....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。後は詩人だった。アルノー・ホルツやウォルト・ホイットマンなどにならって、「多様韻律体《ポリメートル》」の詩を書いていた。ごく長い句と短い句とが交互になってる詩....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
景色が、眼の底に描き出された。美しい詩句が一人でに、その綴《つづ》りやなだらかな韻律を並べてきた。彼は机のそばにすわっていた。腕を差し伸べさえすれば、ペンを取っ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
さしてるばかげた講義のことを論じていたが、次にその談話は、多くの辞書やキシュラの韻律法などにある誤謬《ごびゅう》や欠陥のことに落ちていった。マリユスはその議論を....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
ものは、その本質からいって、なによりも、「時間の経過」が必要であり、また、それが韻律(リズム)となって、舞台の重要な美をつくり出しているものです。その点、演劇は....
純粋戯曲への道」より 著者:岸田国士
落さないであろう。 少し大げさにいえば、かの、ヴァレリイが純粋詩と呼ぶ、言葉の韻律の知的でかつ感覚的な操作において試みた、それと同じ試みを、戯曲の上に試みるこ....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
、内容を読み終ると、同時に三人は、呆気にとられた眼で法水を見上げた。 それは、韻律を無視した英詩で記されたところの、次のファン・レターに過ぎなかったのである。....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
、まるでざわめく風の中からでも生れたかのように、わらべ達の合唱する童謡が、美妙な韻律をひびかせながら、だんだんと聞えて来る。……… 〔わらべ達の唄〕 なよ竹や....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
推移させて行く模様が知れる。言語を基礎とする詩歌が、言語・文章の根本的の制約なる韻律を無視してよい訣はない。 口語歌は、一つの刺戟である。けれども、永遠に一つの....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
っぱり山家へお帰りなされて下さりませ」と、はやす人間がある。 お染さんは平気で韻律演説を続ける。 「心中者よとさげしまれ、末いつまでもはやさるる、箱入娘のお染....