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「頃合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頃合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
千年後の世界」より 著者:海野十三
フルハタの場合のように一千年後であろうと、冷凍人間の生命は保存される。そしていい頃合にこの冷凍をといて、ふたたび蘇生することができる。このときまた、冷凍している....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
たと見える。省作は取りあえずはいる。はいって見れば臭味もそれほどでなく、ちょうど頃合の温かさで、しばらくつかっているとうっとりして頭が空になる。おとよさんの事も....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
た。もとより親類ではあるし、親しい間柄だからまず酒という事になる。主人の親父とは頃合いの飲み相手だ、薊は二つめにさされた杯を抑え、 「時に今日上がったのは、少し....
深夜の市長」より 著者:海野十三
をたてて、静かに静かに上に明いてゆくのが、闇に慣れたわが眼に、それと映った。僕は頃合を見計らって、ちょっと後方に退ると、窓下の空気抜きに片足をかけるが早いか、や....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
容易にひきおこしそうな人物を一生懸命で物色したものです。十日ほどの辛抱ののち私は頃合いの犠牲者を到頭見付けることが出来ました。これが例の細田弓之助という人物です....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
思わず、戸を閉じた商店の板戸に、うわッと、しがみついた。 敵機の投げた光弾が、頃合いの空中で、炸裂したのだった。 ドーン。 やや間を置いて、大きい花火のよ....
三人の双生児」より 著者:海野十三
あり、また早く覗いてみたいようでもあり……。 「妾が主人の珠枝でございます――」頃合を計って客間へ這入っていった妾は、客という背広の紳士の背中に声をかけた。 「....
火星探険」より 著者:海野十三
人が少しおちついたところを見計《みはから》って、外交交渉を始めるんだね。もういい頃合だと思うよ」 「なるほど、それでは何がいいかな。そうだ、『ドナウ河の漣《さざ....
地獄の使者」より 著者:海野十三
った筋であった。 長谷戸検事は、それ以上の追及をしなかった。そして予定していた頃合が来たと考えて、大寺警部の方へ目配せをした。それは訊問を警部の方へ譲るという....
今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
や、A液だけでは、爆発はしないのだ。暫く時間を置いて、丁度A液がうまく浸みこんだ頃合を見はからって、こんどはB液の入ったB種弾が投下されるのだ。このB液も、さっ....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
るってもらいましょう」 「竜造寺兵曹長の、安否をはやく知りたいものだ」 「それは頃合をはかって聞いてみましょう。私は兵曹長が無事で生きているような気がしますよ」....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
軍の下士官になりすました。百八十|糎の長身をもった川上機関大尉に、それはちょうど頃合の制服だった。 (やあどうも、すっかり結構な支度を頂戴してしまった。遺骸に御....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
だ。……と云って俺も若いものよ。あの娘を拝むとも言いたくないから、似合いだとか、頃合いだとか、そこは何とか、糸的の心づもりで、糸的の心からこの縁談を思いついたよ....
虹と感興」より 著者:上村松園
しております。そしてその床几と人物の背後には、夏萩があります。夏萩は白い花をいい頃合に着けて、夕暮れ頃の雨上りの露を含んでおります。 左の片双には、娘が幼な児....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
い装飾は一つもなく、粗末な卓子に附属する椅子さえなくして、本箱らしい黒塗の剥げた頃合の高さの箱が腰掛ともなりランプ台ともなるらしかった。美妙斎や紅葉の書斎のゴタ....