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頃年
「頃年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頃年の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「象牙の牌」より 著者:渡辺温
る××日胡某の惨殺され居りたるウインソア橋に近き黄浦江河岸に復た/\昨朝午前六時
頃年若き男の惨殺死体漂着せるを発見せり。胡同様、無慙にも顔面の皮膚を剥ぎそられ何....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ながらの御清興、お羨ましき儀にござります」 「いや、なになに、それ程でもない。近
頃年を取ったか、とんと気が短うなって喃。禅の修行代りにと、かようないたずらを始め....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
『四庫全書総目』一八六)。熊楠十歳の頃、『文選』を暗誦して神童と称せられたが、近
頃年来多くの女の恨みで耄碌《もうろく》し、件《くだん》の魚瞰鶏睨てふ王褒の句が、....
「年賀状」より 著者:寺田寅彦
った兆ではないかと密かに心配している友人もある。そのせいでもあるまいが、彼がこの
頃年賀状の効能の一つとして挙げているのは、それが死んだ時の通知先名簿の代用になる....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
。 ところが入間郡と境を接する、高麗郡の高萩村に、猪之松という貸元があり、この
頃年三十一歳、小川宿の逸見多四郎に従いて、甲源一刀流の極意を極め、小天狗という綽....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
いがけない荒蕪地を払下げて貰わざるを得なかった。それにしても一面、儀作はまだその
頃年も若く、ありあまるエネルギーが体内にこもっていた。で、まだ山仕事の出来るくら....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
年二月二十八日を以て江戸|市ヶ谷合羽坂尾州分邸に生れたり。父にておはせし人はその
頃年三十を越え給はず、また母にておはせし人もなほ若かりしかば、さのみは愛し給ひし....
「草紅葉」より 著者:永井荷風
が二人いた。妹の方は家《うち》で母親と共にお好み焼を商《あきな》い、姉の方はその
頃年はもう二十二、三。芸名を栄子といって、毎日父の飾りつける道具の前で、幾年間|....
「里の今昔」より 著者:永井荷風
ばかり。その他《ほか》の石は皆小さく蔦《つた》かつらに蔽《おお》われていた。その
頃年少のわたくしがこの寺の所在を知ったのは宮戸座の役者たちが新|比翼塚《ひよくづ....
「春風遍し」より 著者:小川未明
クリンの描いた如く、孤独な、また暗い、深淵のような感じを死に対して持ったが、この
頃年をとってからは、大分ちがって灰色にはちがいないが、永遠の休息とでもいう安らけ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
機を正当づけ、また将士をして、それに死なしめる思いを与えるのでなければならない。
頃年 北条高時入道 朝憲ヲ軽ンジ 逆威ヲ恣ニ振ヒ 積悪 已ニ天誅ニ値ス ココニ至....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
近く賊地に接す。昔時叛夷の種、民と雑居し、動もすれば間隙に乗じて腹心の病を成す。
頃年頻りに不登に遭ひ、憂ひ荒飢に在り。若し優恤せずんば、民夷和し難し、望み請ふ、....